価値創造の知・第12夜 イノベーションの心得②:500年企業・虎屋の本分

2016年12月21日 一気通貫:本分・本気・本質・本流

 

虎屋の羊羹が大数寄です。
さて、あの虎屋さんが「大切にすること」をご存知ですか?
違う切り口で質問すると、「変えていいもの」と「変えてはいけないもの」が何かです。

・変えていいものは「味」
・変えてはいけないものは、「お客様への感謝の気持ち」

です。素晴らしいですね。

この頃、講座やコンサルの前段でそれを使わせてもらっていますが、自分はそれを「本分」と定義づけ活用しています。

本分とは何でしょうか。
辞書では、「その人として本来尽くすべき責務」と記しています。

昨日(12/20)のコラムで、イノベーションの心得として、
「本気・本質・本流」
をしたためましたが、プロジェクトの前に経営の方達に確認しておくのが「本分」です。

何故でしょうか?

それは、プロジェクトメンバーがアイデア・企画・事業構想を検討して、最終発表の経営会議に提案したときによく出てくる言葉です。

「この提案は、うちらしくないからダメ!」

前職でも自分も含め、これで何度挫折する現場に遭遇したでしょうか。

その企業のあるいは対象の「・・・らしさ」とは何かを十分に共通認識しておかなかったからです。イロハのイができていません。
それができていないと上記に出くわして、たくさんの労力が無駄(生産性とモチベーショの低下)に繋がります。
そこには、冒頭の「変えていいらもの」と「変えてはいけないもの」があります。

昨日(12/20)のコラムで、「もう従来のやり方、考え方では右肩下がりで、改善だけではどうにもならない。
アイデアがあっても具体的な事業立案が進まない。何とか成長・成功の道筋を見出したい」
という悩みや相談事が多いという現実を記しました。

目的と手段(ツール・方法)を混同して、従来成功してきた手段に固執してしまうことが多いのです。
経営陣は「従来のやり方、考え方」が通用しないと言いながら、常識の殻を破ったやり方・考え方について躊躇してしまいます。
もちろん、チャレンジングな方法やビジネスモデルになるのが大方なのでリスクがあるのは当然です。
経営の方達には、経験したことのない「壁」を前にして「その提案がダメな理由」をいっぱいテーブルに出すのでななくて、「それができる理由」を率先して道を拓く側にいていただくことを事前に確認しておきます。

下記の事前の頭の切り替えも必要です。

例えば、20世紀の製造業は、
「性能>機能>効能」 という順番でした。~馬力、~W、~デシベル等、

現在は、その逆で、
①「効能>機能>性能」という顧客・社会の効能(=目的)からの順番で把へる時代です。

現在のプロダクツの前段(Before)には、センシング(IoT・AI)があり、後段(アフター)にはコンサルティングが控えています。従来のプロダクティングだけでは不十分で、
② 「センシング → プロダクティング → コンサルティング」
それを一気通貫で先取りすることにより、従来と全く違う風景と目的が現れてきます。

③また、「顧客を囲い込む」時代ではなくて、「顧客に囲まれる」時代です。

メンバー全員(経営陣も含め)で、自分と他分を融合して、「本分」を明確にした後に、新価値創造研究所の「成長マトリクス」で整理すると、ワクワクした「将来と未来」のシナリオが見えてきます。

「本分→本気→本質→本流」

この「本」の一気通貫が成長と成功の心得であり本筋です。

 

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