価値創造の知・第20夜 囲まれる時代

2017年1月16日 価値創造・第20夜 新しい物差し

時代の波に飲み込まれず、時代の波に乗るためには、時代を観る新しい物差しが必要です。
写真の本「新しい物差し」は前夜(第19夜)に引き続き、谷口正和師匠が1997年に著したものです。
20年前の本なのですが、いま読んでも十分刺激的です。

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序文を引用します。

“これからの企業、これからの社会”
新しい物差しはお持ちだろうか。20世紀の使い古された、もはや次なる時代の価値観を計ることができない、古い物差しにこだわっていないだろうか。
パラダイム(=ある時代のものの見方・考え方を支配する認識の枠組み)が変われば価値観が変わる。計る物差しも変わるのだ。さあ、新しい物差しで新しい時代を計ろう。
企業を、人を、ニュールールで、ニュールーラーで計ってみよう。思いもかけない価値観が見えてくるに違いない。予想もしなかった市場が浮かんでくるに違いない。
そこに次なるサクセスを約束する価値観の度盛がある。
(中略)分割された業種業態の垣根を超えて、「新しい物差し」を共有し大いなる21世紀を我々のものにしていきたい。いま、生まれ変わるチャンスである。
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上記を洗練・更新してセミナーに展開されているのが、谷口師匠主催の「文化経済研究会」と思っています。
その44回目(2009年11月)のゲスト講師が、クックパッドの副社長でした。
テーマは、「家庭に”楽しみ”を創る料理サイトの戦略」でしたが、その内容(想いやビジネスモデル)には衝撃を受けました。
セミナーでは出てこない言葉だったのですが、

「囲い込む時代」から「囲まれる時代」

という「新しい物差し」が自分の中にパッ!と浮かび上がりました。
「おもてなし」(第2夜)と「クックパッド社」のモデルがつながり、そこに前職「パイオニア社」との異業種コラボレーションの風景が浮かびました。
セミナー直後に名刺交換をして、「是非貴社にご相談があります」と面会の約束をしました。

この「囲まれる時代」については、第2夜、第12夜に触れていますが再度引用します。
今回のコメント(ビジネスの高度化)に変遷を載せますが、私達のビジネスは、
モノ → コト → ヒト
に進化しています。
それを「おもてなし」に当てはめると、
①しつらい=ハードウェア
②ふるまい=ソフトウェア(メニュー・プログラム等)
③心づかい=ハートウェア(ヒューマンウェア)
を三位一体でプロデュースする時代になっています。

20世紀の「①ハードウェア+②ソフトウェア」は、
「顧客を囲い込む」
ことを主眼としていましたが、ここに留まる多くの企業が行き詰っています。

今、伸張している21世紀企業は、①+②+③をプラットフォームにして
「顧客に囲まれる」
という姿になっています。それは顧客が準社員のようであり、顧客同士が受発信する創発世界です。
そのような「新しい物差し」で見てみると、

「レゴ」「クラブツーリズム」「無印良品」「ハーレーダビッドソンジャパン」「スノーピーク」・・・・
という企業が、熱狂的なファンに支持されて輝いている理由がわかります。

その中でも、自分にとってのNo.1は「クックパッド」です。
インターネット時代に、「自分の情報を表現し参加できて、情報をシェアして、それを高度情報にしてB2B展開するプラットフォーム」です。
当時から理念は「毎日の料理を楽しみにする」で、「買い物の楽しみにも広げていきたい」と話されていました。
現在は「食を中心とするインフラ」への進化されています。

さて、その「クックパッド社」は現在恵比寿にあるのですが、当時はパイオニアの目黒本社近くの白金台にありました。
クックパッドが大好きで有料会員でもある妻と二人で、まだ同社がビッグになる前の副社長を訪問しました。

そこで、「クックパッド社」と「パイオニア社」の異業種コラボレーションの相談をしました。
A.ホップ、B.ステップ、C.ジャンプ
の3案を持っていったのですが、A.Bまでを説明しました。

顧客が、クックパッドを通して作った海外料理や日本料理を、それに合った「音楽」や「サウンド」がネットから流れてきて食事ができたら楽しいですね。
(第4夜に、ネットではないリアルなオーディオのヒット商品をリリースしていました)
その「音楽群」も「つくレポ」のように、レポートされシェアされることで、新しい文化ができてきます。
今まで聴いたことがないような音楽と触れ合い、五感が共感覚した世界です。副社長とも話しが盛り上がりましたがこちらの事情で残念ながら進めることができませんでした。
ここまでがA.ホップなのですが、B.C.はまたのお楽しみで。
ここに記した新文化の型を使えば、ホームでもカーでもスマホでも創れます。新文化が経済を引き連れてくるのです。それが価値創造でありイノベーションです。

多様な企業をご支援していますが、この「囲まれる」プラットフォームを創れるかどうかがポイントになることがよくあります。
それはその企業がお客様から選ばれる理由(プロポジション)であり、コンソシアムを創れるオリジナルの舞台でもあるからです。
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