価値創造の知・第23夜 100社の企業訪問と異業種コラボレーション

2017年1月31日 企業訪問フォーラム

35歳の時にパイオニア本社に異動となりました。それまでのエンジニアからプランナー、プロデューサーへの転身です。
暫くして、パイオニアOB(永田仁先生)の方から、「他社の優れたところを現場で学べる『企業訪問フォーラム』に参加しませんか」というお誘いがありました。

添付写真は2006年度版ですが、マーケティングで素晴らしい成果を上げている様々な企業に行き、
①現場で学ぶ、②実例に学ぶ、③相互に学ぶ、というように、直接企業風土に触れながら、事例研究をして、意見交換もできる研究会でした。
それは、1993年~2010年まで18年間続き、その殆どの100社をその先輩を通して訪問させて貰いました。

これはその後の自分にとって幸運であり、大きな財産になりました。
なぜならそれまで、このようにたくさんの秀でた企業を訪問できる機会はなかったし、現在ではもうないからです。
各々の企業のミッション、優れた仕事の流儀、風土、そして活き活きと働いている社員の方達との交流があり、その極意を吸収してきました。

違う業界のビジネスモデル、プラットフォームを参考にして、エレクトロニクス業界や自社にそれを組込むことによって今までにない価値創造できることを実感しました。
そのような体験が自分の中の自信になり、第14夜、第17夜、第18夜に記す、異業種コラボレーションによる連続ヒット商品の連発につながりました。
そこでは、チームで100社を超す企業と打合せを行いました。

さて、これまでの日本の企業や行政は、「縦割りの社会」です。
それは軍隊の様に上司が管理しやすいからです。企業の中の組織もサイロの様に壁で仕切られ、他の部署の人と話をすると実際に叱られる会社もあります。

しかし、第2夜「おもてなし」、第7夜「イメージメント」、第20夜「囲まれる時代」という21世紀型の時代となるとそれまでのやり方・考え方ではキャッチアップできません。
その為に、多くの企業が行き詰まりを見せているのです。業界をまたがる新しいライフスタイルを創ることで、新しい市場・文化が生まれます。
今、異業種コラボレーションが盛んなのはその為です。そして、その時に必要なのは、横串で捉える視点・視座であり、プロデューサー人財です。その方法は、第17夜の「間と創造」です。

セミナーやプロジェクトで、横串の演習を行いますが、企業戦士には絶対的に情報や体験が不足しています。
企業の中では、その企業や業界にだけ通じる「井の中の蛙」状態になっている方達が多いのが問題です。

企業はもっと若い人達を外に放って、広い視野と本質を捉える深い洞察を体験する場を用意してあげなければなりません。
(それは本当は若い人だけではないのです・・・)
そのような人を創らない会社に未来はあるのでしょうか?
どうしたら、そのようなプロデューサー型人財ができると思いますか?
日本の企業や学校は、そのような人財を輩出するような仕組み、環境があるのでしょうか?

そのような人財が日本に溢れるようにようになると輝かしい未来を創れるようになりますね。

さて、糸井重里さんが「インターネット的」という著書の中で、その特徴を
①リンク、②シェア、③フラット と記していますが、そう、上記の横串は同じことを言っています。インターネットと共存して時代は進展しています。

隆々とした日本を創るために、「企業訪問フォーラム」を復活させたいですね。これまでの経験を活かして、そのコーディネーターもやってみたい。笑

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