2017年2月5日 バリューイノベーター150名を体験
価値創造・第24夜 文化が発生して、その後に経済が起こる
『おもてなし』とは、文明でしょうか、文化でしょうか?
それでは、『スマホ』は、文明でしょうか、文化でしょうか?
いったい、『文化』とは何なのでしょうか?
私はそれを「特徴的な生活様式(ライフスタイル)を形成するソフトウェア・ハートウェア」と解釈しています。
よく比較される『文明』は、「科学技術に裏付けされた普遍的な価値を持つハードウェア」に置いています。
さて、21世紀の「心の豊かさ追求」の時代を牽引するのは「文化」です。
第20夜「新しい物差し」でも触れましたが、私は谷口正和師匠の主催する「文化経済研究会」の会員です。
そこでの重要な認識は、「文化が発生して、その後に経済が起こる」にあります。
前職では、「技術企画→開発企画→事業企画」と取組む対象が広がっていきましたが、どのステージでも大切にしていたのは、上記の「文化経済の認識」です。
「小手先の儲かることよりも、文化を発生させて新しい市場を創り経済を起こすコト」を重要視してきました。
その為に、自分の思考や行動が「新文化づくりのヒット商品(新ライフスタイル創造)」や「新市場/新事業開発」のほうに向かいました。
さて、当該事業の行き詰まりを突破するために、「新市場づくり、新文化づくり」を突き詰めて検討していくと、そこで観えてくる将来の風景・構想から、現在の「会社の本来」の見直しが必要とわかってきます。
この見直しの可否、及び出来不出来が次の成長に多大な影響を与えます。
スティーブジョブズが「iPod」を構想・創造したときに、そこでは、「ハードウェア・ソフトウェア(iTunes)・ビジネスウェア」の三位一体が浮かび上がりました。
そのことで、従来の音楽事業の『本来』というものが変わり、日本の音楽業界・オーディオ業界は顧客のライフスタイルが変わり大打撃を受けました。
旭山動物園の場合は、動物園の本来を「珍獣・奇獣で人を集めるコト」から「普通の動物の命を大切さを伝えるコト」に再定義したことで、新しい将来の風景が観えて、顧客が喜ぶ動物園スタイルに大きく変えていきました。
新しい音楽文化、新しい動物園文化の誕生です。
そうなんです。この「本来」を再定義できることが、将来構想、新市場/新事業創造にはとても重要になります。
「お客様が幸せになるライフスタイルを創造する」と、新しい文化が起きて経済が回り始めます。
現在、様々な業種業態をご支援していますが、行き詰まりから「改革」をご依頼される会社の場合には、それがB2Bであれ、B2Cであれ、
「お客様から喜ばれる新しい市場を創り文化を起こす」
ことを本気で目標にされるかどうかを時間をかけて話し合います。
それは、企業の大小とは全く関係ありません。
中小企業の場合は、お客様と響き合い、「この指止まれ」で同じ世界観を共感・共有し共に行動するコラボレーションパートナーを創ることができるかがキーになることが多いですね。
さて、谷口正和師匠が主宰の文化経済研究会は、2002年から2017年1月の間に、計75回開催されました。
http://www.jlds.co.jp/labo/
毎回、2名のバリューイノベーターが講師で来られるので、私はもう150名の方達のセミナーを体験したことになります。
これらの体験群も編集しながら、各企業に最適にカスタマイズして、研修・セミナーやご支援でお伝えしています。
是非、多くの方達に「文化経済研究会」の価値創造実例を体験していただきたいと思います。