2017年2月28日 イノベーションの真髄
前夜に引き続き、「アイデア・イノベーション・禅」の共通項を紐解いていきます。
これが観えたときに、自分の中の価値創造の風景がステップアップしました。(第8夜 「わかる」ことは「かわる」こと)
その時の『かわる』を皆さんと共有できると嬉しいですね。
さあ、今夜は「イノベーション」です。
イノベーションの元祖であるジョセフ・シュンペーターは、イノベーションを「新結合」と呼んで、次のように云っています。
イノベーションとは、『①「モノやコト」が新しく結びつき、②それが新しい価値として社会的に受け入れられて、経済が発展している状態(ing)のコト』
➡ 新結合 = New Combination
前夜の「アイデアのつくり方」(ジェームス・W・ヤング)は、『アイデアとは既存の要素の新しい組合せ以外の何ものでもない』でした。
そして、今夜のイノベーションの前半は『①「モノやコト」が新しく結びつき』が『新結合 = New Combination』になっています。
つまり、「アイデアのつくり方」の方法と、「イノベーション」の前半の方法は殆ど同じことを云っています。
それは、ゼロから何かを生み出すことではなくて(=発明:インベンション)、既にあるモノ(コト)同士を組み合わせることによって新しい価値を生み出す方法、原理を意味します。(=イノベーション)
なので、私たちは誰でもイノベーションを生み出す、価値を創造することができるのです。
それまでになかった新しい組み合わせ、新結合の理解を進めるために、自分ゴトを含め、三つの事例を記します。
①活版印刷
ルネッサンス期の世界の三大発明と云われるグーテンベルクの活版印刷も、グーテンベルクの実家の刻印機と周辺のワイン製造のぶどう絞り機の新結合によって生まれました。(写真)
②ピュアモルトスピーカー等
第4夜(不足転じて満足となす:用意と卒意)と第17夜(「間(ま)」と「創造」)で、私がプロデュースした異業種コラボレーションによるヒット商品群を記しましたが、それはまさしく新結合そのものです。
③iPhone
世の中を変えたスティーブジョブズのiPhoneは、「iPodとデジカメと携帯電話、ネット」の新結合です。
さて皆さん、イノベーションへの挑戦に、俄然やる気が出てきましたか?
やる気が出てこられた方は、第1夜(「創造性」による生産性向上と働き方改革)をご覧ください。
そこには、
・模倣的(イミテイティブ)
・創造的(クリエイティブ)
・革新的(イノベイティブ)
のことを記しています。
昨夜(第31夜)は、「アイデアのつくり方」ですが、これは『・創造的(クリエイティブ』に属します。
「イノベイティブ」とは、iPhoneに代表されるように、「新しい世界を創り出すコト=現実を変えるコト」、「それが新しい価値として社会的に受け入れられて、経済が発展している状態(ing)のコト」にあります。
ゆえに、『クリエイティブは、イノベイティブの前段です』
クリエイティブ以上の『イノべイティブ』に到達するのに必要なのは、
・第21夜(気立て・見立て・仕立て)の気立てと仕立ての用意と卒意
・第17夜(「間(ま)」と「創造」)のダイアグラム作成 がポイントになります。
何れにしても、重要なことは、第11夜(イノベーションの心得:「本気・本質・本流」編)でも記しましたが、結果として、次のS曲線(本流)に乗り移れるかどうかにかかっています。
『イノベーション』の理解のお役に立てれば幸甚です。
今までの多くの経験から、いくらいい構想があっても既存組織には足を引っ張る力が働きます。(コメント写真:イノベーションのジレンマ)ここを乗り越えることも必要です。
更に、世の中はとっくにイノベーションが進化した『オープンイノベーション』の時代です。本気・本質、そしてビジネスの『型』を際立たせましょう。
モタモタしてはいる時間はありませんね。
次の夜に記しますが、私はイノベーションという言い方をマーケティングと同様に、『イノベーティング』と云いたいと思っています。
その理由は「禅」との関係から・・・
第32夜 価値創造による経営革新