2017年5月31日 CHANGE・CHANCE・CHOICE
前夜(第43夜)では、「困難をチャンスに変える」ための「価値創造の心得」の3つを綴りました。
本夜は、その一つ目の困難・試練を乗り越える「危機意識・情熱・本気」を記します。
このテーマについての自分の体験は、第10夜・第11夜・第14夜に詳しいので読み返していただけると幸甚です。
実際、前職の37歳の時に全社横断の「オーディオ活性化委員」としてオーディオ事業の本来と未来を認識した時に「これまでの考え方・やり方のオーディオ事業では2005年以降の未来がない」という核心・確信に至り、強い危機感がありました。現状をみれば、それは概ね当たっています。
翌年に、まだ一介の課長だったのに、当時の会長・社長にそれぞれ時間をいただき、オーディオ事業の次の一手・未来構想を提案しましたが撃沈しました。もう諦めかけていたのですが、総務部から専務が新社長になるという情報があり早速アポを取りました。
もう背水の陣で、自分の尊敬するパイオニアOBの大先輩にも同席いただき、未来構想を提案致しました。新社長はそれを前向きにとらえてくれて、結果、全社再建13プロジェクトの一つに推薦いただきました。「ヒット商品緊急開発プロジェクト」として命名して、そのプロジェクトリーダーとなりました。1994年39歳の時です。(第14夜)
強い危機感は、本質を突き詰めることに向かい、核心・確信を通して志になります。
そして、強い志が革新へと導きます。
さて、人口減少社会で市場も右肩下がりの中で、如何に事業を創生するか、地域を創生するか、ということが喫緊の課題となっています。
企業や自治体をご支援する時に、トップが「本当に強い危機感を持たれているいるのかどうか」が最大のポイントになります。そのような本気の当事者意識を持っているトップかメンバーがプロジェクトに参加しているかどうかが成否の鍵を握ります。
トップに、「リストラ等で、まだ何とかなる」という意識があるときは、だいたい上手くいきません。それは、従来のやり方や考え方のほうが面倒がなく「楽」だからです。けれど、そのままの延長では、悲惨な方向に向かいます。現在の延長線上に未来はありません。その重いツケは、若い人達に向かいます。
そう、「事業創生、地域創生」のスタートは危機感の共有です。
創生に向かって変化する「企業・自治体」だけが生き残ることを痛感しています。
強い危機感があれば、従来のやり方・考え方に固執することなく、顧客・市場の今と未来に真摯に向かいあうことができます。そして、顧客・市場との双方向のコミュニケーションが始まります。
成功のポイントは、先ず対象の中心のやり方・考え方から離れることです。「守破離」(第5夜)です。変革・進化は、通常「中心」から起こすのは難しく、「周縁」から音連れます。中心には制約や訳があるから変革できないのです。ここがジレンマであり大きな問題です。周縁や未常識から観るメガネを持てば乗り越えられます。(5/14「オーディオの未来」から抜粋)
常識の枠を外すと、未来成長に向けた「鍵と鍵穴」が見えてきます。ベンチャー企業をご支援していますが、彼らの鍵穴を見つけるスピードは迅速です。危機感があり本気モードだからです。
危機感の次の本質づくりのステージで、事業や地域の「前後左右」と「上下(過去と未来)」を丁寧に、丹念に深く、高く、広く読んでいくと必ず複数のチャンスが見つけることができます。是非、トリニティイノベーションをお試ししてみてください。(第21夜)
①CHANGE: 常識・意識を変える(ポリシーとスタイル)
②CHANCE: 複数の未来の姿を見出す(成長マトリクス)
③CHOICE: 選択して、実行、更新する
①がなければ、まず②③に続くチャンスの神様は訪れません。
だだ、②には従来と異なるスキルが求められることも事実ですが、①②③をフルサポートします。
企業・地域にとって一番大事な認識は、大きな困難(問題)を解決することで顧客・市場から対価や信頼・笑顔が巡ってくるということです。
先ず必要なのは、危機意識・当事者意識・本気・志・覚悟。そして、実行への道筋。チャンスが見えても実行に向かわないのは、本当の危機意識がないからです。それは、疑似危機意識では誰も幸せになれません。
困難に立ち向かわずして、隆々とした未来はやってきません。これが原理原則です。
写真は、先日訪れた「諏訪御柱祭の木落し 坂落し」の場です。参考まで。
次夜(第45夜)は、「ハシゴづくり」を予定しています。