価値創造の知・第47夜 日本の方法(独自性の発揮)

2017年6月29日 トリニティ・イノベーション

この頃やっと、下記の日本の方法が脚光を浴びるようになりました。如何してでしょうか。

前職では、新規事業立ち上げや新規研究テーマ探索について、複数のコンサルティング会社にお世話になりました。
ただ、そのコンサルティングの方法(ツール)はどこも似通ったもので、申し訳ないのですが殆どこちらの期待を下回るものでした。それらは、だいたい下記のステップで構成されています。巷にあふれる関連書籍も同様です。

1.現状分析を行う(3C分析、SWOT分析)
2.新しいアイデア(事業・研究)を創発する
3.「理想の姿、あるべき姿」を浮き彫りにする
4.上記1.「現状分析」と3.「理想の姿」の溝(ギャップ)を
埋めるように「戦略」(事業・研究)を構築して、それを実現するためのビジネスモデルを創る
5.上記1~4.を編集して計画書(事業・研究)を作成する

上記コンサルティング会社の多くが、欧米からの成功例のテンプレートを持ってきて、「これに則ってやればいけますよ」と。

価値創造の知・第45夜でも記しましたが、2番手・3番手でもいい、上位の真似をしていればいい、という「平時(成熟期)」の時はこれでもいいのでしょうが、「有事(衰退期)」では通用しないものでした。残念ながら、今でもこの状況は変わっていません。

いったい何がズレてしまっているのでしょうか?
それは、1~3.が従来のやり方・考え方の延長線上で、その枠や常識から越境できないところにあります。重要なことは、現状の常識の境界をまたぐことです。それが新価値創造であり、経営革新です。

不確実な時代、航海の時代(第30夜「経営革新のすすめ」)に越境する3つの方法があります。それを「トリニティ・イノベーション」(第21夜、第29夜)として紹介しました。

さて、その説明は重複になるのですが、
①深く人を読む
②高く未来を読む
③広く全体を読む
という三つのモノゴトの本質を突き詰めることです。

そしてここからが本夜の中心なのですが、
そこに必要なスキルが「日本(独自)の方法」なのです。それだけで、独自性が発揮できます。イノベーションができます。

①「深く人を読む」
→ ZEN、余白、侘び寂び
②「高く未来を読む」
→ 守破離
③「広く全体を読む」
→ 間(ま)、主客一体、おもてなし

欧米人が知りたがっているキーワードが上記①②③の矢印の後ろのワード群です。皆さん、それらを聴かれた時にどのように説明されますか?「おもてなし」が何故脚光を浴びるのでしょうか?(それらについては、第1夜からの連載の中に散りばめて綴っています)

そうなんです。学校でも企業でも親からも習ってこなかったんです。何故でしょうか?
もうとっくに欧米に追い付き追い越す時代ではないのですね。

私の研修や事業創生/地域創生プロジェクトでは、課題に合わせてビデオや演習を含めて一つずつお伝えすると、懐かしく新しい「発見の体得」で皆さん目が輝きはじめます。

さてさて、その「日本の方法」(独自性の発揮)を事業創生・地域創生・新規研究テーマ発掘に組み込みますとその結果は雲泥の差となって経営革新として現れてきます。価値創造の本質がそこにあるからです。それらが、人財創生につながるのがとっても嬉しいですね。

上記は、元々日本人が持っていた磨き上げた編集能力なのです。DNAの奥に潜んでいるそれらに外国人は興味津々です。是非、多くの方達が習得・体得していただけますと幸甚です。日本が創生します。
私はその奥義を松岡正剛師匠から『未詳俱楽部(第26夜)』『連熟』『椿座』等で一流を体感・心感してきました。

是非「学校」や「新人研修」で必須科目にしたいですね。

価値創造から,事業創生・地域創生・人財創生へ

 

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