価値創造の知・第55夜 人生でいちばん大事なこと

2017年8月31日 できない理由を探すな

ある本を事務所の書棚で捜していたら、19年前の刊行の懐かしい本が目に留まりました。
本の題名は、「自分の壁を破る人 破れない人」渡部昇一著
きっとこの本が私を呼び寄せたのでしょう。

 参考に、序章を記します。
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「自分の運命を変える天からの“一本のロープ”」

何か「これは」と思うものをやろうとするとき、人は二つの壁にぶちあたる。それは、自分の能力的な壁と環境の壁である。
能力的な壁とは、自分の問題、「内なる壁」と言っていい。自分の側の力不足であるから、これは自分次第で何とでもなる。
これに対して環境の壁は物理的な壁であり「外なる壁」と言ってよい。今の時点ではどうにみならないこともあるから、とりあえずは時期を待つことにすればいい。
私の経験から言って、今はちょっと難しくすぐに実現できずとも、「いつか必ずやれる」という気持ちを持って「やるための理由」を掲げて努力を絶やさない人には、不思議なことに、天の一角から“助けのロープ”が下りてくるものである。
できない理由を押さえて、あえてやってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、その人の覚悟次第であるが、この覚悟によって世に云う「運命」も変え得るということを覚えておいてほしい。
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「天の一角から“助けのロープ”」というフレーズは、前職のヒット商品緊急開発時代に降りてきて、とても共感・共振するものがあります。
「チャンスの女神の前髪を掴め」に近いと思いますが、周りのイノベーター実践者は、これらに頷く方達が多いのが実際です。

さて、序章から、二つのことを提示したいと思います。
一つ目は、「引き寄せ」です。
・こうであったらよいのに。
・こうなったら良いのになあ。
という、「望んでいる状態」の時に、“助けのロープ”は下りてきません。

・いつか必ずやれる
・絶対に実現できる
という、「信じている状態」の時に、下りてきてきます。

それは、外部環境変化を望む時ではなく、自分が変わって、信じて邁進している時に音連れ、引き寄せがあります。(価値創造の知・第8夜)

「バリューイノベーション・プロジェクト」の初期の頃のメンバーには、「望んでいる状態」を自由に記してもらうのですが、中盤以降は、如何に「信じる状態」にステージを上げられるかがポイントになります。

二つ目は、「できない理由を探すな」です。
「事業創生・地域創生・人財創生」のご支援をしてきましたが、チャンスを掴みとれるかどうかは、
①「できない理由を探す」
②「できる理由を探す」
の違いにあります。

多くのクライアントから、
「従来のやり方・考え方ではもう駄目(限界)なので、なんとか創生させたい」
という依頼が多くあります。
しかし、若手から上がる「殻を破った提案群」に対して、幹部の方達からは「次々にそれらが駄目な理由」を論理的に説明されます。
ここで重要なのが、「常識の殻を破り、それができる理由を徹底的に探すマインド」なのです。
「できない理由を探す」モードは「信じていない」ことにつながります。

「バリューイノベーション・プロジェクト」では、殻を破り、行き詰まりの壁を破るために、『イノベーションの心得と方法と現状突破の補助線』をご提供します。
社員&幹部に一緒に寄り添いながら、全員が覚悟ができて『信じるモード』に移行できるかがこちらの腕になります。

さて渡部昇一さんは、著書の中で次のことを記しています。
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人生でいちばん大事なことは何か、一つ上げよと問われたら、私は躊躇なく、
『できない(やらない)理由を探すな』と言いたい。
もしたったこれだけのことでも・・・・・・、おそらくあなたの人生に新しい一面が開かれるのではないかと思う

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「できる理由探し」、「信じる状態」になるには、下記①②が必要です。そして③に移行します。
①気立て:本気、「気」を立てる(第13夜、第27夜、第44夜、第51夜)
②見立て:構想、イメージを創る(第15夜、第29夜、第43夜、第45夜)
③仕立て:行動、仕組みを創る(第11夜、第14夜、第35夜)

これは、価値創造の知・第21夜に記しました。
人生につながってきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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