2017年11月12日 「違いと共感」
ビジネスで最も大切なコトは、「違いを創るコトと、共感を生み出すコト」を一緒にして、継続的に、高く結合することです。
「価値創造の秘訣@新価値創造イニシアティブ」を第76夜に公開しました。それらの一つながり(=ワンピース)が「解決すべき課題(AGENDA)」を解決して、成長・成功につなげるために必要な流れ(プロセス)です。
そのプロセスに沿って、事業創生・地域創生を実践・ご支援している中で「ビジネスで最も大切なコト」を本夜、図解&まとめたものを公開します。
それは、『違いと共感』の新結合です。ここで最も重要なことは、この二つが、“二つでありながら一つ”であるという認識です。
第37夜の「禅マインド」から引用します。
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座禅の姿勢は、「結跏趺坐(けっかふざ)」という右足と左足を組んでいますね。 この姿勢は、『二つではない、一つでもない』という「二元」性の「一者」性を表わしています。これが、もっとも大事な教えです。
もし私達の心と身体が二つである、と考えるとそれは間違いです。心と身体が一つである、と考えるとそれも間違いです。私達の心と身体は、“二つでありながら一つ”なのです。
私達は普通、もし何かが一つ(単数)でなければ、それは二つ以上(複数)であると考えます。けれども実際の人生の経験に照らしてみましょう。
私達の人生は、複数であるばかりではなく、単一です。私達は、互いに支え合うと同時に自立しています。
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特に、“二つでありながら一つ”は、第17夜“「間(ま)」と「創造」”、第37夜 “コンセプトのつくり方”、第80夜”『世界と世間』”の中でその真髄を記しています。
さて、『違いと共感』です。
最初に『違い』(第65夜~第78夜参照)ですが、他と違いがなければ、「低い提供価値」になります。そうなると、顧客の関心・興味が薄れて対価が減り、次の価値づくり、投資が出来なくなります。継続の維持が危ぶまれてます。
ただ、「総合研究所や技術研究所」でよく見かけることですが、「違い」ばかりに目を奪われて、それが世の中に、顧客に、本当に役立つのか、共感するのかを見極めないで突っ走り、結局何も成果が出せなかったという数多くの事例があります。
「研究開発・技術開発」だけが先行して、研究者や技術開発者が、「この研究・技術が何かに役立たないかな?」とつくり始めてからプランナーやマーケターに相談することが多々あります。
その理由は、研究開発の前にテーマを相談すると、「市場にそのようなニーズはない」という声が上がり、そのテーマ自体が潰されることがあるからです。ポイントは後述する「顧客の『NEXT共感』」を捉える想像力の有無にあります。
次に、『共感』(第2夜、第63夜、第64夜参照)です。共感度が低ければ対価も下がります。現在の市場の短期的な「共感」にだけフォーカスしていると「違い」への逸脱ができ辛くなります。「共感」にもグラデーションがあって、慣れてくると価値が薄れてきます。他との「共感度」に差がなくなれば、図解の左側の低い「共感」に向かいます。顧客の「NEXT共感」を明確にして顧客を捉える想像力が必要です。(価値創造イニシアティブ:2.他者を愛する「幸せ創造力」参照)
“ドラッカー”が言うように、「企業の目的は、“顧客価値”をつくること(=顧客価値創造)」にあります。それを維持・継続できなければ、企業は存続できません。
その“顧客価値”をつくることができる、ただ二つの機能が『違いと共感』です。図解の様に、この二つを“二つでありながら一つ”の高みに持っていくことがポイントです。
それではもう少し紐解いていきましょう。
この二つの拠り所を説明します。
『違い』をつくるのは、「技:イノベーティング」で、『共感』を生み出すのは、「心:マーケティング」です。(イノベーションの進行形、広がりとして、「イノベーティング」という言葉を使用しています。第32夜参照)
企業では、「イノベーティング」は、主に研究開発・技術開発部門が担当し、「マーケティング」は主にマーケティング部門が担当します。マーケティングは『心(Will&Smile)』を扱い、イノベーティングは『技(Skill&Style):新結合』(第32夜)が拠り所になります。
下記「新価値創造イニシアティブ(第77夜)」のプロセスの中で、ビジネスと創生で『違いと共感』がどのように活用されているのかを皆様イメージしてみてください。
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力
『違い』は、1~7の全ての項目にあり、『共感』も1~7の全てにあります。その双方が顧客に「伝える・伝わる」&「巻き込む・巻き込まれる」の『「違いと共感」の物語(Story)』となります。
この二つを別々にしないで、“二つでありながら一つ”に新結合することがビジネスで最も大切なコトと納得いただけたでしょうか。「イノベーティング部門」「マーケティング部門」の双方は、上記に向けて逸脱・新結合することが必要です。
さてさて、その二つの機能(『違いと共感』)を創り・生み出す心得と方法が、『トリニティ・イノベーション』(第21夜)になります。「心得(Will&Smile)と方法(Skill&Style)」を是非、ご活用ください。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ