2017年11月17日 「物語・新しい命」を紡ぎ出す方法
前夜(第82夜)は、「広い知」により、『違い』をつくる「抽象化能力」の一つをご紹介しました。
本夜は、その組み合わせから昇華する「物語(新しい命)」を紡ぎ出す実践演習をお伝えします。
これまでの過去の成功例やビデオをご覧いただいても、『違い』創出ワークショップで実際に自社や自地域の「新しい物語」を紡ぎ出そうと思っても手がとまり、頭が回らないのが通常です。
それは、それまでが「スタンドアローン(他に依存せず単独で運営する環境)」で、何とか自前の制約の中で答えを出そうとする習慣・慣習があり、逸脱とオープンな環境からの発想・構想を実践していないためです。
さて、私たちの生活環境を変えた「インターネット」の特徴を「インターネット的:糸井重里著」では下記3つを上げています。
①リンク
②シェア
③フラット
好むと好まざるとに関わらず、これらがライフスタイルや企業経営・地域経営の中に沁み込んできます。
第4次産業革命、AIoTがそれを加速させます。それは、従来の「スタンドアローン」の環境とは真逆です。
そこで、これからの時代の波に巻き込まれず、波に乗りこなすための能力が「広い知=抽象化能力①」です。
難しいことではありません。好きな人が出来た時に「何としてでもこの人とお付き合いたい、結婚したい」と想い、本気で行動するプロセスと同じです。
そのために考えることは、
①二人の共通項(嗜好、趣味、人生設計等々)は何か?
②二人でできる幸せの物語・世界観をどう語るか?
です。
これが、「大三角形・感動物語」の下方の「共通項」であり、上方の抽象化・昇華の「命・物語」です。
二人の間に赤ちゃんができれば、それは新しい命の誕生となります。
必要なのは、対象がワクワクすること(=恋心)であり、その対象との結合に「本気・情熱」があることです。(第51夜、第61夜)
さて最初は、統合・結合するための簡単だけれど重要な「3パターンの基礎演習」を挑戦していただいてから、添付図の応用に辿り着き、ここで頭が痺れるような「2~3時間ノック」をチームで創りあげます。
それは、事務局が事前に二つの山となるカード(トレンドワードとライフスタイルワード)を用意します。貴社・貴地域の「解決すべき課題」と上記の引いたカード(ワード)を組合わせて、10分間で物語を紡ぎ出し、発表し、何回か休憩を挟みながら2~3時間行います。
そうすると検討時間、まとめる時間もぜんぜん不足しているので、「エイヤー」と想いも寄らない発想・物語・構想の卵が出てきます。いつもの自分達の「常識・枠」からの逸脱が始まります。
このノックを「対象」毎に行うことで、「抽象化能力」が大幅に鍛えられます。
スポーツをする時に、ビデオを見ただけでは上達しませんね。それと同じように「知」も訓練しないとそのための筋肉がつきません。
ただ、自分一人で闇雲にやっても上手くいきません。やはり、その道のプロにナビゲートして貰うのが一番です。関係者がその「知の汗」を一緒に流すことで、信頼感とレベルの高い「知」が生まれてます。
ただ、前夜(第82夜)にも記しましたが、これは「対象」をもっと深く(深い知)、高く(高い知)を捉えてから行うのが有効です。
多くのコンサルティングは、これ(再定義)をやらないで行うので、ワクワクするものを創れません。つまり、『違い』のレベルが低いものになります。
「対象」をワクワクするためには、「対象を深く&高く再定義すること」がポイントになります。
それでは、次夜(第85夜)は、「深い知の『抽象化能力』」を綴ります。
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