2017年11月20日 「シナリオプランニング」「禅・瞑想」
前夜(第85夜)は、『深い知』(=「抽象化能力」②)の考え方(型)を記しました。
本夜は、その『深い知』に辿り着くためのエクササイズ方法の一部を綴ります。
ポイントは、図解の「所有・使用」のこれまでの常識を疑うということから始めます。
これまでのやり方や考え方が、上手くいかずに行き詰っていても、なかなかこれまでの慣習・常識から離れられないのが通常です。
これまでの会社経営、地域経営環境は、ハードウェアをベースにした確実で合理的な意志決定が中心でした。
ところが、ITをベースとした「ソフトウェア*ハードウェア」、及び、ビッグデータを扱うAIoTでは、「ハートウェア*ソフトウェア*ハードウェア」をプロデュースする時代です。
それは、ズバリ『不確実性』を扱う時代になります。
前職(パイオニア社)の自部門では、2001年に『不確実性』に対応するために、「シナリオプランニング」を導入しました。(第15夜:不確かな時代を読み解く方法・シナリオプランニング)
『不確実性』にどう向き合うのかというのが、経営の中心課題になっていたからです。
旧来のやり方・考え方を突破する『イノベーション(=新価値創造)』は、確実で合理的なものではないことを認識する必要があります。それは、新しい価値、新しい解釈、新しいスタイルを創造するからです。
過去の成功体験を持っている方達は、従来のオペレーション、マネジメントに縛られます。なので、「イノベーション」が大の苦手です。
「これまでは、こうやっていた。それでうまくいっていた」というやり方や考え方の「常識を捨てる覚悟」が必要なのですがなかなかそれができません。
しかし、これまでの「行き詰まりの常識の厚い壁」を打ち破り、その奥にある「本質」を掴み取るのです。(第29夜)
それが、図解の『在り様=Meaning=本質的な内容』です。
ここに辿り着く方法は、『座禅』『超越瞑想』と同じです。(第33夜)
欧米では、『禅・瞑想』が最強のビジネスツールと言っている人もいます。心の中が、「雑念」でいっぱいになっていて、例えていうと、透明な水が雑念でポカリスエットのように濁っている状態です。
そのような状態の時に『禅・瞑想』をすると、「雑念」がどんどん出てきます。それを真言(マントラ)等で心の外に追いやるのです。それを続けていると、だんだん濁った水が透明になっていきます。
削いで削いでいくことで、その奥にある新しい境地に近づきます。
それと同じことを、「禅・瞑想」ではない方法で、チームで行う方法があります。
それまでの常識、欲望を集団で認識して、そこから離れ、おいやり、追い込むのです。図解の様に、「モノ⇒コト⇒イミ(Meaning)」の順番(色即是空)です。
すると、そこに「ワクワクする新しい解釈・常識・スタイル(型)・市場」が浮かび上がってきます。
この「ワクワクする」ということがとっても重要です。ここに、対象への『自信』が生まれてくりからです。
それが見えてきたら、
「イミ(Meaning:価値)⇒新しいコト⇒新しいモノ」(空即是色)で拡げてゆきます。
それを繰り返すのが、「シナリオプランニング」です。
さて、だんだん慣れてくると、図解の一番下の三角形(「在り様」)に辿り着くことが早くなります。
そして、そこに扱いづらかった「不確実性」を自分のものにする『余白』があることがわかってきます。(第22夜)
あとあとに綴りますが、この「余白」が『本質的な違い』を生み出す『場』です。
是非、「シナリオプランニング」と「禅・瞑想」に挑戦してみてください。目に前の風景が変わり、人生が変わってきます。
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