橋本元司の「価値創造の知・第91夜」: 使える「実践的仮想連携シート」

2017年12月18日 実践的仮想連携シート:「2+1」

前夜(第90夜)に引き続き、企業間連携具体化のきっかけをつくる「実践的仮想連携シート」をご紹介します。
播磨国際協議会セミナーでも使用した「広い知・感動ダイアグラム」と原理は同じ「2+1(ツープラスワン)」という松岡正剛師匠の情報編集術です。
詳細の考え方は、「第57夜『本来・将来・縁来』」にありますが再度記します。

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僕はまず一対の情報というものが「分かる」ということにとって大きくて、私たちがふだん意識せずに使っている抽象概念などでも、父母から始まって、夫婦、浄土と穢土、天国と地獄、善と悪、生と死、黒と白、いろいろなものがまず一対になっている。そこに第3の要素が加わると必ず次の思考が生まれるのだろうと思います。
たとえば、「おかあさんとカレーライス」というのが一対ですね。問題はそれだけだと好き嫌いで終わるので、それに一つのことを加えて、誰かに伝えましょう、というふうにやるんです。
「おかあさんとカレーライス」に「買い物」を入れるか、「弟」を入れるか、いろいろ変わったときに何かが見えるんじゃないでしょうか。それは変化の多様性なんです。
簡単に言ってしまえば、二つのものが目の前にあって、そこにもうひとつ加わると何か別のものが生まれるということです。(出展「情報編集力」)
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協議会セミナーでは、会員企業同士の一対をお引き合わせします。
そこに何を加えると素敵な物語が生まれるのかを実際に検討していただくのです。
それは『触媒』といってもいいかもしれません。その『触媒』によって、新しい化合物が生まれてきます。

身近な例では『料理』があります。買ってきた食材はそのまま置いておいても勝手に料理にはなりません。そこで、皆さんには料理人になっていただきます。
食材はそのままでは食材のままですが、料理人が調理をすることで料理に変化します。どのように混ぜたらいいのか、何を加えたらいいのか、それを『想い』から引き出します。

PREPARE(用意)⇒ PERFORMANCE(料理)⇒ PROMOTION(配膳)

この3つの『P』を一気通貫で意識することが重要です。
ここに、新しい事業・産業を生み出すヒントがあります。『問い』の立て方次第で「事業創生・地域創生」につながります。

さて「2+1」ですが、そこの「もう一つ」に、「海外展開」「スマホ」「インバウンド」「教育」「東京オリンピック」「AIoT・ロボット」「再生可能エネルギー」等々、気になることを入れてみます。
それも一社だけで考えるのではないのです。様々な時と場所で経験を積んできた、私たち価値創造コンサルもいるのです。
すぐに、いままでの常識の枠、制約の壁を吹き飛ばします。イメージの中で新しい化合物、物語が生まれ、そのうちに、リアリティを持って輝き出します。

そうやって、連続ヒット商品、未来シナリオ、事業支援・地域支援の結果を出してきました。

幾つかの「2+1」サンプルを載せますので参考にしていただけると幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
171206②2+1演習

2+1サンプル①

2+1サンプル②