2017年12月20日 顧客価値共創の基礎
前夜(第92夜)は、「実践的仮想企業間連携/業務提携」の種づくりの方法を綴りました。
本夜は、それを更に進めて「顧客との価値共創」の基礎をお伝えします。
ここで重要なキーワード、イメージは『主客一体』です。
「OMOTENASHI Nippon」から、それを引用します。
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おもてなしに大切な主客の相互性. 茶道では茶事を主催する亭主は、入念な準備のもと客を招きます。招かれた客は、亭主の意図を汲み取り、その場にふさわしい振る舞いをし、感謝を示すことが求められるそうです。
つまり招く側と招かれた側があわさり、主客が一体になることにより気持ちの良い空間を創り上げるのです。この「主客の相互性」は「主客一体」とも言い換えられるでしょう。・・・
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西洋のホスト(主人)とゲスト(客人)の関係は、従来の「メーカー(作る人)と消費者(使う人)の関係」に似ていてそこにはある一線があります。
茶会では、「私(もてなす側)が何か(気持ち、芸)を差し出すから、あなた(もてなされる側、客)も何かを差し出して」という関係が、日本の「おもてなしの場」にはあります。
この「主客が一線を越えた相互性」が「主客一体」です。
この様な関係がビジネスで象徴的に見られるのが、私が大数寄な「クックパッド」、「クラブツーリズム」です。
その内容は他の夜に綴りますが、顧客から継続的に「感動・感激・感謝」される「主客一体」事業を、どうぞ自分の事業にあてはめてじっくりと検討されることをお薦めします。
添付図がそのイメージです。どこかで見たような図ですね。
「第90夜:使える実践的仮想企業間提携」では、その両サイドには、企業や団体を置きました。今までにない、本質的な違いを生み出すために活用しました。
今回は、左サイドに「顧客」がいます。いよいよ実践モードになります。
現在の顧客は、
「素敵なドラマや舞台があれば、積極的にに参加しますよ」
と言っています。そう、今の顧客は従来の消費者ではないのです。
そのような『舞台・場』を創って隆々とされているのが、前述の「クックパッド」「クラブツーリズム」です。お父さんたちにイメージしやすい事例が、「ハーレーダビッドソン ジャパン」です。
それは、「顧客の囲い込み」から「顧客から囲まれる」時代の先駆者たちです。そのエッセンスは「第20夜」に綴っていますので、興味関心のある方は是非ご覧ください。
さて、図の「広い知・感動ダイアグラム」(第83~84夜)はこれまで何回もその使い方をご案内してきたので説明は省きます。
事業のポイントは、両サイドからの重なる領域を大きくすることで、「顧客・社会のしあわせ」を高めることです。そこに「黄色の領域の『新価値共創領域』」が見えてきます。
どうすれば、重なる領域を大きくすることができるのでしょうか?
そこに必要な心得と方法が、『おもてなし』(第2夜)です。
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「おもてなし」は下記3つでできています。
①しつらい:茶室の和のしつらい。
②ふるまい:作法。ふるまうこと。
③心づかい:あれこれと気を配ること
それを価値創造ビジネスに当てはめてみると、
①しつらい=ハードウェア
②ふるまい=ソフトウェア(メニュー・プログラム等)
③心づかい=ハートウェア(ヒューマンウェア))
の三位一体となります。
私達のビジネスは、
『モノ → コト → ヒト』
を三位一体でプロデュースする時代になっています・・・
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メーカーであれば、「オープン①しつらい」にすることです。でもそれだけでは、先に進めません。三位一体ですね。
次夜からは、その辺りの「顧客との共生・共鳴・共創」に触れていきます。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ