2017年12月27日 顧客共創と産官学連携
本夜は、いよいよ「価値共創5.0」です。それを図解しました。
「価値共創4.0」は、民間中心の実践が多いのですが、「価値共創5.0」は
① 産官学連携
② 顧客連携・住民協働
の二つが融合していることが特徴です。
①の産官学連携の実践は日本のあちらこちらにありますが、①②の融合した「価値共創5.0」はほとんど見られません。
②については自治体では、人口減少・地域衰退で、「住民協働・官民協働」が急で、自分も住民協働をご支援していますが、住民よりも自治体の方の意識・スキル改革と仕組みづくりが必要です。
それは、従来からの「上意下達の世界」が中心で、「横串・絆の世間」の舞台・物語をなかなかつくれないからです。
もう一歩踏み込んでいえば、いきなり①②融合の課題解決が望まれていても、その基礎(価値共創1.0~価値共創4.0)ができていないことにあります。
そのために、ご支援では、下記の様に「急がば回れ」が必要なのです。
1.価値共創1.0:企業間連携
2.価値共創2.0:①企業・自治体と②顧客・住民との連携
3.価値共創3.0:①企業・自治体同士の連携と②顧客・住民との連携
4.価値共創4.0:①企業・自治体同士の連携と②顧客・住民同士の連携
詳細は、価値創造の知・第94~98夜をご覧ください。
そして、「価値共創5.0」です。
私の知見で、この取り組みに一番近いのが、長野県飯田市の牧野光朗市長の実践です。
2016年2月に、東京ミッドタウンで、牧野市長の講演を聴く機会に恵まれ、そのお話しを伺い講演後にいろいろ質問させていただきました。
ご興味・関心のある方は、
『円卓の地域主義』
~共創の場づくりから生まれる善い地域とは~
第4章
10万人規模の地方都市から地域を学ぶ皆さんへのメッセージ
1.すべては当事者意識から始まる
2.衰退した当事者意識
3.右肩下がりの時代を当事者意識が救う
4.当事者意識を欧州に学ぶ(補完性の原理)
5.善い地域をつくる
①個人の当事者意識を高める
②地域共同体の当事者意識を高める
6.「善い地域」の最適規模の考察
7.飯田モデルを通した「善い地域」の展望
8.当事者意識と「円卓の地域主義」
①「円卓」への意識付け
②「円卓」から共創の場へ
を是非お読みください。
「当事者意識」「想い」「善い地域」「円卓」「共創の場」のキーワードでその世界と世間が目に浮かびませんか?
これは、第60夜( 現状を革新する「7つの力」)と同じです。
丁度講演を聴いたのが、地方の「再生エネルギー」関連企業のご支援をしていた時でしたので、地域と連携した「将来シナリオ」の事業構想が一気にでき上がりました。
それは、自分の中に「価値共創1.0~4.0」の実践があったからです。
ビジネスの原理原則は、「生活者(顧客)が求める価値を提供できない企業・自治体は生存できない」ということです。
いま、何が売れているのでしょうか?
物ですか、情報ですか、サービスですか。
結論から云うと、売れているのは、『関係』です。つまり、「人間関係」です。
前述(第97~98夜)の「ハーレーダビッドソンジャパン」・「クラブツーリズム」「クックパッド」の内側(インナー)に入ってしまえば、そこに待っているのは「信頼」「感動」であり、気持ちがつながることで、モノやサービスが売れてゆきます。「クックパッド」では、その集まったビッグデータを編集することで大きな収益を生んでいます。
つまり、判断の軸が「関係」「信頼」「感動」にあります。
そのための『場づくり(舞台づくり)』が重要です。
その『場』『舞台』を創るためには、「ミッション(深い知)」と「ビジョン(高い知)」が分母として必要です。それから、「価値共創1.0~5.0」に向かうのです。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ