2018年2月21日 『本分(分母)』の再定義の第3弾
『本分(分母)』の再定義の第3弾です。
時代の変化を図に示します。世の中は、「モノづくり⇒コトづくり⇒ヒトづくり」にシフトしています。
それに対応して、「顧客との関係」は、「顧客を囲い込む」から「顧客に囲まれる」に移行します。
そう、ここで重要なキーワードは、図の右下の「顧客に囲まれる」にあります。このことについては、第20夜、2夜、93夜に詳細を綴ってきました。
「送り手」と「受け手」という関係が大衆消費者(Consumer)でした。
それが、部分的な双方向性が可能になり、「利用価値」が全面にでてきて、「顧客」という言葉がメディアを賑わしました。
多くの企業が、顧客を「如何に囲い込むか」ということ専念しました。
でも、誰も「囲い込まれたく」ありませんよね。
それでは、「Facebook」の世界をみてみましょう。
そこには、従来のプロの「送り手」ではなく、「プロではない人達」が舞台の上で、プチプロ的に表現(=コミュニケーション)をしています。
1980年に未来学者アルビン・トフラーが発表した著書『第三の波』の中で示した概念に「生産的消費者:プロシューマー(prosumer)」があります。
生産者 (producer) と消費者 (consumer) とを組み合わせた造語です。
プロフェッショナル (professional)と消費者を組み合わせ商品に詳しい消費者といった意味でも使用される場合もあります。
今は、「プロシューマー」の時代です。(この「プロシューマー」がどのように進化することが重要です。)
この情報時代に、IT・SNS等の進展で、「送り手」側からの情報の信頼が揺らぎ、信頼できるプロシューマーが身近になりましたね。
従来の消費者から、進化して「プロシューマー」に続々と誕生しています。少し周りを見渡してみましょう。
・Amazonへの書評
・ユーチューバー
・クラブツーリズム
・クックパッド
プロシューマーには、給料は払われていないのに、もう、準社員の様に活躍しています。そのパワーを使っている会社(地域)と使っていない会社(地域)には大きな差が出ています。
その『舞台(Stage)』を創り、役者として嬉しく、楽しく演じて貰っています。今では、充分な対価(見返り)のある「プロシューマー」に進歩してきていますね。
ここでの一つ目のポイントは、自分が「社会に役立つ(=価値)」ということです。自分の表現、発信、行動が「社会に役立つ、関与する」って嬉しいですね。
特に、「・・のお母さん」という主婦の人にとって、社会の多くの人達から「いいね!」や賛辞を貰うことは「生きがい」にもつながってきます。
この「生きがい・欲望」の視点・視座をどうとらえるかが肝要です。
二つ目のポイントは、企業や行政が、「会社や地域にとって大事な領域を社会にオープンにするコト」です。
枯山水(第50夜、第89夜)のように、「大事な水」を抜いてしまうことで、観客が自分の頭の中に「隆々とした水を想像・創造する」ことにあります。
会社や地域が行き詰っているというのは、この「余白・空白」が創れていないことを意味しています。
大事な領域を明け渡す『舞台』を創り、そこにプロシューマー(プチプロ)が役者を演じるようにプロデュースするのです。主客一体です。
勿論、こちら側の目利きは必要です。 そこに集まる情報群が、次の柱を創る『宝物』になります。
この領域の匙加減、舞台づくりと覚悟がなかなかできないのですね。
ここのヒントは、第106夜に示しました。横軸(世間)をオープンにして、プロシューマーに参画してもらい、拡張するのです。
難しいことはありません。これまで、大事にしている「縦軸」世界は無くなりません。横軸への拡張で、縦軸(世界)にも良い影響が出てきます。
前職(パイオニア社)の異業種との連続ヒット商品化はこれで実践しました。
上記の『本分(分母)』の再定義の方法は、「「後発」や「ベンチャー」が老舗企業の先を行く大チャンスです。ただ、老舗企業にこれを先行されたら、「後発」「ベンチャー」には『芽』がありません。
その時に重要なのが、その舞台が向かおうとする先の『良い目的』(第28夜、第107夜)を明確にしておくことをお伝えします。
そうすると、『ファンFUN(嬉しい・楽しい)がファンFAN(愛好者・熱狂者)を生む』世界と世間が迅速に創れます。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ