2018年2月23日 3C=脳業の時代
AI( Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、Industry4.0(第4次産業革命:製造業のデジタル化・コンピューター化を目指すコンセプト)という『I(アイ)』の入った言葉がメディアを賑わしています。いったい、これをどのように把えたらいいのでしょうか?
実は、1995年、前職(パイオニア社)でヒット商品緊急開発プロジェクトを立ち上げる前にいろいろと世の中の動向を検討していました。
その時に、「ニューロサイエンス」「ニューロコンピュータ」が未来を洞察する中で、キーワードとなっていました。今から23年前ですね。「ニューロ」(neuro)とは、 神経回路網のような学習や自己組織化の機能をもっているという意味を表す語です。
その時に、整理して1995年の「経営会議」で発表したのが、下記の時代推移の洞察です。
A.農業⇒B.工業⇒C.情業⇒D.脳業⇒⑤E.**業⇒⑥F.**業
(「脳業」のあとの⑤⑥の「**業」については、長くなるのでまたどこかの「夜」に綴ります)
C.「情業」については、第108夜の図に記しています。当時、高度情報時代と云われていましたが、その「情業」に込めた想いは、「情報(左脳:インテリジェンス)」と「情緒(右脳:エンターテイメント)」が新結合して時代を牽引する「世界と世間」(第80夜)でした。
そして、その次に到来するのが、B.工業、C.情業を超えたD.「脳業」です。
自分の中では、2020年から10年間がこの『脳業』の時代です。それは、首記の「AI、IoT、Industry4.0」の融合した世界になります。ここで使われる『I(アイ)』に注目してみましょう。
①AIのI:Intelligence
②IoTのI:Internet
③第4次産業革命:Industry
これは、人間に例えると、下記『3つのC』に転換できます。
①C: Computer=脳(AI)
②C: Communication=神経系(IoT)
③C:Control=手足等(Industry)
B.「工業」の時代は、③C:「Control=手足等」が中心でした。そして、C.「情業」の時代は、「Communication=(情報の)神経系」が急速に発展しましたね。
いよいよ、ここに、D.「脳業」の時代が登場するのです。
これを併せて1995年に発表しました。
このような時代には、従来の「工業」のカタチでは対応できませんよね。「①C: Computer=脳(AI)」と②「C:Communication=神経系(IoT)」から③「C:Control=手足等(Industry)」を眺めると違った風景が現れてきます。
「③C:Control=手足等(Industry)」だけでは勝てません。それは、日本のオーディオが「iPhone(アイフォン)」にやられてしまったのを思い出してください。
それは、アップルが、「ハードウェア・ソフトウェア(iTunes)、ビジネスウェア」の三位一体で勝負してきたからです。
「クルマ」業界も世界の大手が、昨年から上記の『3C』にシフトすると続々と宣言しました。
日本の「TOYOTA」がやっと今年に入って、アンカーとして発表しました。
日本は出遅れてしまいましたが、この風景が観えれば逆転できます。それは、第2夜、第20夜、第86夜、第93夜で綴った日本のお家芸である『おもてなし』(ハードウェア・ソフトウェア・ハートウェアの融合)の出来がポイントになります。
さて、皆さんもお分かりの様に上記『3C』は手段です。
これが進展していくのは間違いありません。
重要なのは、その奥と先にあるどのような『価値(バリュー)』を創り出すかということです。
(新価値創造研究所は、この『価値(バリュー)のイノベーション』の心得と方法にフォーカスしています)
その新しい目的、大局観、新しい市場を見つけ出しフォーカスすることで、
「手段」との付き合い方も、働き方も変わってきますね。
そして、全ての製造業は、「新サービス産業」へと業態を変えていきます。
この業態変化が、「働き方改革」の一番地です。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ