橋本元司の「価値創造の知・第118夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑤核心・確信・革新が道筋

2018年3月15日 「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」

前夜(第117夜)は、「メイク・フィロソフィーをつくる」を綴りました。
それは、モノゴトの本質である「核心」を把え、自分がそれを「確信」する。それが、信念・志・エンジンとなり、「革新(イノベーション)」実行に向かいます。

 自分が「前職(パイオニア社)事業の行き詰まり」で悩んだ時は、

①このままの延長では「大変」なことなる
②一体、「何」が問題なのだろうか?
③一体、その「本質」は何なのか?

という順序で考えましたが、だいたい皆さんもこんな感じではないでしょうか?

ただ、③の本質をどのレベルまで掘り進むのか、ということが違いとなって現れます。
ここで前職で鍛えらえた力をお伝えします。

皆さんは、トヨタの「5回のなぜなぜ分析」をご存知でしょうか?
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トラブルに直面したとき、トヨタ社員は「なぜそれが起きたのか」を繰り返し考える。
すぐに思いつく答えを安易に結論とせず、真の原因を探ることが目的だ発生した問題事象の根本原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく、
「なぜ?」「なぜ?」の問いかけを“5回はくりかえせ”ということで、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。
元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになりました。
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前職では、TOYOTA・HONDAというクルマメーカーさんとB2Bの関係でよく名古屋や宇都宮・狭山に行きました。
この突き詰めるということは、対症療法ではなく、問題・課題の本質を把えるということでたいへん役立ちます。いい経験をさせて貰いました。

「メイク・フィロソフィー」もそのプロセスに近いところがあるのですが、「5回のなぜなぜ分析」は、モノやシステムを取り扱います。
しかし、「改善」ではない『価値創造』の場合は、その本質が目にみえない「核心」「確信」という「ココロの領域」を扱うところが違うところです。
「ココロの領域」には、『禅的思考』(第33夜、第76夜)が有効です。そこにエッセンスを綴っていますので、関心のある方はご覧ください。

事業の目的は『顧客価値の創造』です。
これが原理原則。

星の王子さま サン・テグジュペリの名言に、 「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」(第63夜)を記しました。
そう、「価値創造」には、心を見る力を身につける必要があるのです。 「バリューイノベーション・プロジェクト」では、そのスキル習得を「3.本質創造力」(第65夜)で用意しています。

その本質である『核心』が把えられ、腑に落ちれば、『確信』に繋がります。
この『確信』がとっても重要です。だいたい、深堀をしないでそこそこのところで妥協してしまうとうまくいきません。

会社・地域をご支援する中で、メンバー達が、TOPが共感され、『確信』に至れば、目を輝かせて、「次の一手」に踏み出します。
その『確信』には、
①大切なコト(アンカー・錨)の再定義:深い知
②将来の姿(ビジョン):高い知
③革新の道筋(イノベーション):広い知

の3つ全てがイメージできる、揃うことが必要です。

前夜(117夜)に綴った、これまでのコンサルティングは、気づき・起爆剤があっても
その先の上記①②③には手をつけないのです。

上手くいかないコンサルティングは、
「通常のコンサルティングのテンプレートを提示しました。その先は、あなたたちの問題です」
だから、だいたい失敗するのです。

「核心」・「確信」に至れば、「革新(イノベーション)」に繋がります。
それが、新価値創造研究所の「価値創造」ウェイです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
核心確信革新