2018年3月28日 質的転換、経営革新
前夜(第124夜)では、「次元が変わると経営危機が訪れる」ことを記しました。
例えば、「オーディオ事業」もカセットテープやディスクのメカニズムの時代は成長しましたが、
それが、iPod、iPhoneの様に、通信やiTunesの「ソフトウェア・ビジネスウェア」が三位一体となる「質的転換」があると、
従来のやり方、考え方(ビジネスモデル)では太刀打ちできなくなります。(新価値創造研究所HP参照:オーディオの定義を革新する)
質的転換したその世界も、数年のうちには新しい「質的転換」が起きるでしょう。
そのように、「質」が変わり、「世界」が変わることを『次元』が変わると表現しました。皆さんの業界、地域にとっても「質的転換」は何でしょうか?その「本質」「流れ」を察知することがとても重要です。
“ある固定した考え方を続けていくと、鬱血(うっけつ)が起こってきて、床ずれし始めます。その始まりのサインは軽い不快感です” 先人達が決めた先入観、常識を疑い、この床ずれに気づくのが「問題の発見」になります。 (第36夜)
さて、今の「質的転換」の事例をご紹介します。
「AIoT」の進展では、多くの業界が下記の前後を意識せざるを得なくなると思います。(第105夜、第112夜)
①センシング(イメージング)⇒②プロダクティング⇒③コンサルティング(インテグレーティング)
下記の違う描き方(第91夜)で「ピン!」とくる方も多いと思います。
PREPARE(用意)⇒ PERFORMANCE(料理)⇒ PROMOTION(配膳)
製造業であれば、②プロダクティングが中心でしたが、
これからは、①センシング・イメージングという五感部分が間違いなく大きく進展します。そこは、生活や現場と直結する「センサー(部品)」であったり、「ビッグデータ」であったりします。
それは、「活動量計」「ルンバ」「自動運転」「SNS」「スマホ」等を観ればすぐ分かります。
「ルンバ」「自動運転」であれば、その奥底には、「本当は、掃除や運転なんかしたくない」という「在り様・意味(Meaning)」(第85夜)があります。
そのような「在り様・意味」を片手に持ちながら、「①センシングを使った、②新しい価値のプロダクティング」を幅広く実践していると、③コンサルティング(インテグレーティング)が視界に入ってきます。
そして、この①②③を一気通貫で先行してプロデュース、実践できるところが、「質的転換」を図れる「企業革新の会社」に仲間入りします。そして、その企業はもう「製造業」ではありません。それは「新サービス産業」になります。
このような「質的転換」を果たす会社や企業群がこれから続々とメディアに登場するでしょう。
その時に重要なのは、「製造業」の視点で観ないことがヒントです。この「ズラシ」ができるかできないかがポイントです。それについては、分母の再定義(第105夜~第108夜)に綴りました。
実際に、私たちがご支援している「製造業」の半分以上は上記関連のご支援です。現在は、①②③の一気通貫の先を見据えた戦略も必要になっています。その先に向かうには、上記の前後だけでなく、「左右」「上下」を把えることです。
自分達にとっての「顧客価値」&「使命」を認識していれば見えてきます。そして、それは「深い知・高い知・広い知」をメンバーで共有していれば観えてくるものです。(第89夜:「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力)
その次のステップへの将来シナリオづくりは、皆さんワクワクされながら挑戦されています。
上記を「製造業」のことと想っているとそれは大間違いです。私たちは、サービス業のベンチャー企業~老舗企業をご支援していますが、構造は同じです。全体的にサービス業の方達の意識が高く、取り込みが「急」です。
「IT」「AIoT」「Industory4.0」の世界は、様々な業種・業態に影響を及ぼします。例えば、「ビッグデータ」を活用するとビジネスが変わる業界は全て関係してきます。
その時、それまでの「市場」は、質的転換を起こします。
そのような視点・視座で把えると、私たちには、
「99.9%」
が該当するように思われます。現在の延長線上で観ない事です。その時に必要なのが、「価値創造」と「経営革新」です。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ