2018年4月25日 「A:修養」⇒「B:教養」⇒「C:修教養」
前夜(第139夜)は、“道徳”が“価値”とコインの裏表であること、そして、その切り口として、“いじめ”ではなくて、“魅力”が得策であるということを綴りました。
いま、日本の教育の大きな課題は何でしょうか?
それは、
①相手をいつくしむ心、おもてなしの心
②自己を磨き高める力、創造力
がかなり不足していることではないでしょうか?
①の問題が、「いじめ」であり、
②の問題が、「創造性・イノベーション」の欠如につながります。
それに対応できない理由は何なのでしょうか?
「教育」というものを歴史から紐解いてみることが必要です。
それは、第27夜(志:修養と教養)に記しました。
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過去の江戸時代に大事にされていたのは、『修養』(徳性をみがき、人格を高めること)です。
その中心は、肚(丹田)にあり、肚の文化でした。茶道も柔道も相撲もそうですね。弁証法で把えると、その修養が『正』です。
明治維新で、列強を追いつき追い越せという切実な状況があり、その中心が頭のほうに上がってきて『教養』重視になったのが明治です。その教養が『反』です。
それが今でも続いて、「歪(ひずみ)」を生み出しています。
さて、21世紀の「知」はどのようになるのでしょうか。
弁証法でとらえれば、それは、「修養(正)」と「教養(反)」が結合した『修教(合)』の時代ではないでしょうか。
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「A:修養」⇒「B:教養」⇒「C:修教養」
という進化形です。
ここの「B:教養」で、二つの問題が切実なものになりました。
それは、「A:修養(徳性をみがき、人格を高めること)」が時代の変化とともに、廃れてしまったのです。
そのために、「道徳教科化」というものが浮上してきました。
そして、「B:教養」の問題も顕在化しました。
相変わらず、「答えがわかっているものを速く答える」という教育です。
いま、求められているのは、「答えのわからないものを導き出す力=創造性」です。
そのための方策ができていません。
それは、第135夜(=幼な心にもとづいた逸脱)に綴りました。
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さて再び、「将来の魅力/価値」です。
・『日本、会社、地域、自分』の魅力はいったい何なのか?
・ 自分/社会の「魅力」をどのように創っていくのか?
・ 自分/社会の『将来』をどう考えているのか?
・ 自分/社会の『価値』は何なのか?
・ いったい何を伝えたいのか?何が伝えられるのか?
それらは、
・「魅力とはいったい何か?」を考える
・「価値をつくるコト」を考える
・「大切なコト、将来の可能性」を考える
という様に、「魅力」や「価値」という主観性(第102夜)と、自分ゴトとしての『主体性』を伸ばすことにあります。(第131~134夜)
そのために必要なのが、「幼な心にもとづいた逸脱」です。
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この「幼な心にもとづいた逸脱」というのが重要です。
小さい時から、目を輝かせて逸脱することが必要で、北欧の教育はそれに基づいています。
では、日本の教育は「北欧の真似」でいいのでしょうか?
それについては、第138夜(イノベーションの御三家)に綴りました。
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右肩下がりや停滞している状況から抜け出るには、『イノベーション(革新)』が必要という認識は一致しています。
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それは、従来の価値観から、新しい幸せの価値観/魅力に移行することです。
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さて、その「イノベーションの御三家」ですが、それは日本人ならよく知っています。
それは、
①禅思考
②守破離
③間(ま)
という「日本流」です。
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「日本の方法が、創造性の大元(おおもと)」にあります。
それを、事業開発/ヒット商品/地域創生で実践してきました。
さて、整理します。
「A:修養」⇒「B:教養」⇒「C:修教養」
「C:修教養」をどうするか?
ということです。
足りない修養(=徳)、足りない教養(=創造性)を合わせた「C:修教」をつくる。
ここに、「日本の方法(禅・守破離・間)」を組込みます。
それは、上記の「魅力」から入り、気づいてもらうことから始まります。
それが、二大問題の「いじめ」&「創造性」の特効薬になります。
さてさて、次夜(第141夜)は理解をすすめていただくために「2軸」で図解します。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ