橋本元司の「価値創造の知・第141夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ➉NEXT「道徳教科」の本質を図解

2018年4月26日 2軸:「美徳/共感」&「創造/革新」

前夜(第140夜)は、21世紀に望まれる“道徳教科”を踏まえ、超えた“共感・創造”教科について記しました。
本夜は、第139~140夜に綴った内容をもう少し明らかにして図解します。
ここでは、二つの重要な軸(「美徳/共感」と「創造/革新」)を提示して、それらを個別に対応するのではなくて、
「二つでありながら一つ」(第33夜:禅の修行で一番大切なコト)として右上の象限を実践に移すことが望まれます。

さて、横軸の「美徳/共感」は「心の問題(=心性)」です。この認識が重要です。
“いじめ”がクローズアップされていますが、真因の一つが、「心がネガティブに内側に向いている(=内向き)」ことにあります。
そこには、“競争”“格差”“仲間外れ”“貧困”等の社会問題の縮図が絡んでいます。
一人ひとりの「心」を、「内側に向かった負のエネルギー」を外に向かせることが肝要です。

その切り口に必要な一つが、“美意識”です。
(実は、美意識だけでは足りなくて、後述する「自立・自律のための創造性」がセットで必要です)
・「いじめているコト」が格好悪い
・「いじめているコト」がみっともない
という「意識=ココロ」です。

例えば、社会生活の中で、電車ライフを上げると、
・電車の順番待ちで割り込んでくる。
・電車の中で化粧をする
・電車の中で痴漢をする

人が嫌がることを「格好悪い」「みっともない」と強く思う“ココロ”です。
自分中心(ジコチュウ)ではなく、“公(おおやけ)”“他分”からの視点です。
そこから、「大切にしたい心のあり方」「大切に想う心の在り方」を共有するコトです。
幸せなことに、この日本国民には、“公意識”がまだ息づいていますね。

“徳”とは?
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・身についた品性。社会的に価値のある性質。善や正義にしたがう人格的能力。
・広く他に影響を及ぼす望ましい態度。のり。おしえる。めぐむ。
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“道徳”とは?
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・社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準(の総体)。
・自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと
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そのような意味では、“道徳”よりも“美徳”という言葉が相応しいと思いました。
“美徳”とは?
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・ほめるべき、うるわしい徳。人として望ましいりっぱな心のあり方や行い。
・ 美しい徳行。道徳の基準にあった性質や行為。
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その様な“美徳”“徳行”“美意識”というものが、
・将来の世界に
・将来の日本に
・将来の社会に
・将来の地域に
・将来の家族に
・将来の学校に
・将来の友人関係に
・将来の自分に
備わっていた方が「いいのか?」{必要ないのか?」
ということを大きいところ(マクロ)から考え、気づいてもらうことが望ましいと思いませんか?

それが、前夜から力説する“魅力”です。
・魅力ある日本
・魅力ある社会
・魅力ある地域
・魅力ある学校
・魅力ある友人
・魅力ある自分
という視点・視座から把えて貰えると「道徳/美徳」の目的実現には、入門しやすい、とっつきやすいのではないでしょうか?

それらの「美徳/魅力」について、“アンパンマン”は子どもたちに色々なシーンを用意して教えてくれましたね。
大きな役割を果たしていただきました。

さて二つ目は、縦軸の創造性です。

横軸の“美徳”は、「心性」「共感性」を扱っていますが、
縦軸の“創造性”は、「知性/体性/匠性」「革新性」を扱っています。

20世紀は、決められたルールに従うことが求められました。
それが、列強に「追いつき追い越せ」の工業の時代(第56夜、第140夜)の“レール・ルール・ルート”でした。
自分の小学校、中学校は、朝礼で「前へならえ! なおれ」と何回も訓練させられました。

それまでのやり方、考え方の“ルール、ルート”に適応する、習得するにはそれなりの意味がありました、
“守破離”(第5夜、第88夜)で云えば、“守”のステージです、
1990年代から、レールのある「鉄道の時代」から、レールのない「航海の時代」という“破離”のステージに移っています。
詳細は、第30夜「経営革新のすすめ」に記していますので、ご関心のある方はご覧ください。

20世紀のやり方・考え方の“レール・ルール、ルート”が錆びついています。
これまでの依存体質から抜け出て、「創造・革新」が強く求められているのです。
・ルート変更
・ルール変更
・レールのある「鉄道の時代」から、レールのない「航海の時代」

それらは、「依存」体質から「自立・自律」体質への転換です。
AI・IoTがそれを後押ししています。

そこに求められている能力/才能が、殻を破る、常識を超える3つの力である
・想像力
・創造力
・構想力
ということを第122夜、第127夜に綴ってきました。

上記の3つの力(想像・創造・構想)が革新となり、将来の「魅力」「価値」を生み出す「知性」です。
そこに、「匠の技」という「体性」が交差/交流します。

それが「幼な心」から醸成されると、
・羽生結弦
・大谷翔平
・藤井聡太
につながります。
従来は、出る杭は打たれたのです。

彼らには、「美徳/共感」と「創造/革新」が両立していると思いませんか?

その二つは両方とも、「自分ゴト」です。
①美徳/共感(心性): 将来の『魅力』をつくるために、心を磨く。自己を確立する。
②創造/革新(知性/体性): 将来の『魅力』をつくるために、殻を破る。常識を逸脱する。

将来の自分を「自分ゴト」として把えて、「美徳/共感」&「創造/革新」に向かう授業です。
21世紀は、今までなかった「AIoT」が出現しています。
20世紀の成功体験は、そのままでは通用しません。

「将来を生き抜く、受け継ぐ若者たち」にどのような環境が必要なのか、その本質を真剣に洞察しましょう。
これまでの延長線上に、未来はありません。それは、会社も地域も同じです。

自分も常識の殻を破る「異業種コラボ・ヒット商品プロジェクト」を提案・実践した時には大いに叩かれました。
何か新しいことをすると、衰退している既存の勢力から妬まれる、恨まれることが多いのです。それはやむをえないことです。
ただし、成功すると潮目が変わります。
メディアでもそのような光景がよく放送されますね。
なにせ変革時を生きているのですから。
時代の波に飲み込まれずに、乗り超えましょう。

まとめです。

・“いじめ”等対策で「マイナス」を潰すよりも、「将来」からの発想/構想で、「プラス」に転換して包みこむ。
・キーワードは「自分ゴト」になれるかどうか。
・そして、彼らの幸せづくり(成長・成功)に役立つかというコト
・その為に、「将来の魅力」という視点から、早くから気づき、主体性が芽生えるコト
・「美徳/共感」&「創造/革新」が相乗効果を生むコト、そしてその仕組みが肝要
・「美徳/共感」&「創造/革新」の授業が他の教科との間で好循環が生まれるコト
・「美徳/共感」&「創造/革新」の達人をいっぱい輩出しましょう。
・隆々とした人財/会社/地域/日本を創りましょう。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
美徳創造教科
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