橋本元司の「価値創造の知・第142夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑪「競争」から「共創」へ

2018年4月30日「一途に競争」から「多様に共創」へ

 

20世紀後半:一途に「競争」する。
21世紀前半:多様に「共創」する。

 21世紀の社会は、20世紀の其れとは大いに異なります。
そこでは、
・「いったい、何を大切にするのか」
・「何が魅力/価値となるのか」
・その際の、「ルール・ツール・ロール」(第80夜、第54夜)
を「21世紀の本質」をイメージして共通認識することが重要です。
そして、それを後述するように、「フィードフォワード」展開すること。
(フィードバックは「ダメ出し」の過去思考。フィードフォワードは、「変えられる」未来思考。)

それらを通して、何を目的に、何を目標にするのか、という道筋を考えましょう。
「すでに起こった未来」(第126夜)として、現在の中に散りばめられて点滅しています。
その本質を洞察することは難しくありません。

その中の一つのキーコンセプトが、首記の

・多様に「共創」する

となります。

さて、「副業」を認める会社が10%を超えました。
「終身雇用」という慣習がもたない実例がいっぱいでてきています。
また、年金問題で未来が抉られていることも影響を及ぼします。
更に、「AI・Iot」の進展が「働き方」の本質を大きく変えていくのが必然です。

「副業」について、
・新入社員向けに、「副業」メニューを提示して先進的な会社をアピール。
・中堅に、社外のイノベーション獲得や人脈づくりを推奨する
・50歳以上の社員に、第2の人生プランを検討してもらう
・政府は、年金問題で未来が抉られているので一億総活躍をうたう
等々、様々な対応があり、副業の率は速い時期に50%を超えるでしょう。
それは、「学校教育」と無縁と考えますか?
それをネガティブorポジティブに把えるかで見方は変わってきますね。

それは、“終身雇用”の「一途に競争する」から“自立・自律”「多様に共創する」時代の転換期です。

・「魅力/価値」があると人(対価)が集まる。
・従来のやり方・考え方を超えた「イノベーション(価値創造)」が求められる。
・その価値創造の中心は、①「引くこと=深い知:禅的思考」、②「将来を見通すこと=高い知:温故知新」、③「連結すること=広い知:主客一体」にある。
・それを実践できる「内部人財」の開発・育成と「外部人材」の積極的活用が肝要。
・上記を実現するための本気の「ビジョン/ビジョン」「組織体制」「仕組み」の一気通貫を覚悟・実践する。
という現状突破の認識と実行が求められます。

上記のコトに自分が気づいたのが、30年前のことです。
それで、前職(パイオニア社)の年一回開催の技術発表会のコンセプトを「新価値創造」にしてプロデュースしました。
20年前には、③「連結すること=広い知:主客一体」を異業種コラボレーションによりヒット商品をプロデュースしました。
15年前には、②「将来を見通すこと=高い知:温故知新」に挑戦して見える化につなげ実践、多くの業種・業態をご支援してきました。

“教育”をクルマの運転に例えると、バックミラー的に「フィードバック」するものではなく、将来を洞察して「フィードフォワード」するのが本来の在り方です。
国際比較の「イノベーション能力」が20位台後半に低迷しているのは、“日本教育”の遅れにあると思っています。
2000年に、ビジネスの現場に顕在化(=すでに起こった未来)したことを“学校教育”にフィードフォワードしていれば、今の「日本のイノベーション能力」は変わっていました。

さてさて、

「美徳(横軸)」と「創造(縦軸)」

が“教育の課題”のキー2軸(シナリオロジック)です。
それは、図解の様に、
・横軸:「マーケティング能力:美徳/共感」
・縦軸;「イノベーティング能力:創造/革新」
に繋がってきます。それらが全く不足していますね。

それを数式にすると、「価値創造の方程式」(第53夜)に繋がります。

バリューE(幸せ・愛のエネルギー)=M(ミッション)×C(Combination:情報編集力)×C(Communication:情報受発信力)

価値創造のエネルギーを大きくするには、「顧客・会社・地域・社会の幸せ(E)」をベースに
「ミッション(何に命を使うのか)×イノベーティング×マーケティング」で成立します。
縦軸:最初のC(Combination:情報編集力)は、『新結合』のことであり、「イノベーティング」そのもの。その本質が「創造/革新」です。
横軸:後方のC(Communication:情報受発信力)は、広義の「マーケティング」のことであり、その本質が「美徳/共感」です。

時代は、“心の豊かさ”の時代に転換しています。

是非、“学校教育”の中に、
・バリューE(幸せ・愛のエネルギー):自分、社会の「魅力/価値」とは何か?
・M(ミッション):自分、社会の「志/使命」とは何か?
・C(Combination:情報編集力):自分の「広い知・新結合」
・C(Communication:情報受発信力):自分の「伝える力・伝わる力」

そして、それらを「一途の競争」から「多様の共創」に転換すること。

それが、学校教育の「2020プロジェクト実践」としてフィードフォワード展開できることで、子供たちが、会社が、地域が、日本が隆々となる将来にリーチできることを望みます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
将来社会