2018年5月9日 AIが苦手なこと
前夜(第144夜)に、「AI」「BI」「CI」を綴っていましたが、
突然に、第52夜の「想い・本気(Will)、方法・本質(Skill)、笑顔・幸せ(Smile)」の“価値創造「ルル3条」”が脳裏に浮かんできました。
それらは、おそらく「AI」には苦手なことであり、人間の「生きがい」に繋がる領域だと想います。
本夜は、上記について綴ってゆきます。
最初に、「シンギュラリティ」から入ります。
ソフトバンクの孫さんが、Pepperくんをお披露目した時に使っていましたね。
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シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。
それは、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士により提唱された「未来予測の概念」でもあります。
科学技術の発展により、人工知能(AI)の研究開発が加速することで、我々の暮らしは豊かなものになると考えられています。
一方で、2045年には人工知能は人間の脳を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)に到達するといわれています。
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「AI」の成果は、あちらこちらで見かけるようになりました。
それは、何かよほどのことがない限り、人間や社会に大きな変革(構造改革、ライフスタイル改革)を及ぼすことになるでしょう。
10年先にも多方面に亘る変化が想像できます。
さて、そのプロセスで立ち現れる「AI」と「人間」の関係を3つの群を記します。
① 人間が、「AI」の下僕、下請けになる。
つまり、「AI」に使われるということです。
② 人間と「AI」が共生する
・「AI」と「顧客」との間で、「人間が仲介する(インターフェイス)」
・「AI」と「人間」が共創する
③ 人間が、「AI」を使いこなす
「生きがい」という観点からは、「③ 人間が、“AI”を使いこなす」が望ましいですね。
「荒海の波に飲み込まれずに、波を乗りこなす」というイメージです。
その様なこれからの「AI」時代に、「生きがい」というテーマが対となって切実にクローズアップされますね。
丁度、現在NHKで「100分で名著:生きがいについて」が放映されています。
その第1回で、「生きがいとは何か」についての問いを、神谷美恵子さん(1914-1979)は著書で4つにまとめられていました
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1.(自分) 自分の生存は何かのため、またはだれかのために必要であるか。
2.(自分)自分固有の生きて行く目標は何か。あるとすれば、それに忠実に生きているか。
3.(社会)以上あるいはその他から判断して自分は生きている資格があるか。
4.(社会)一般に人生というものは生きるのに値するものであるか。(33-34頁)
「生きがい」を感じて生きている人とはどんなタイプか。神谷の答えはこうである。
「自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいで歩いているひと―いいかえれば使命感に生きるひとではないであろうか。」(38頁)
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ここに記されている「使命感に生きるひと」というフレーズに釘付けになりました。
・「AI」には“使命感”があるのだろうか?
・“意志”“情熱”“本気”“志”があるのだろうか?
と考えた時に、これが「AI」と「人間」の本質的な違いと直感しました。
これまで、「価値創造の知」連載で綴ってきたのは、
価値創造のプロセスは、「本気⇒本質⇒本流」の様に、
・「本気」:“意志”“情熱”“志”“使命感”
が初めにあることです。
そして、図解の「Will・Skill・Smile」の主体性が「AIをつかいこなす」本丸です。
そして、次の本質には、前夜(第143夜)に繋がる「日本の方法」(禅、わびさび、守破離、間)を組込んだ「深い知・高い知・広い知」が控えています。
これも「AI」ができない苦手なことです。
つまり、これまで「価値創造の知」連載で綴ってきたことは、「AI時代」に必要な“方法・心得・能力”そのものであることでした。
日本人が、「AI」を使いこなすために、“「AI」×「生きがい」×「価値創造の知」×「修教養」×「日本」”が一気通貫でつながることが“解”になると洞察しました。
今の、小学生・中学生・高校生・大学生に迅速に伝えたいですね。
そのために、もう少し中身と構造を整理しなければと思います。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ