2018年5月23日 事業は人なり
いつの間にか「150夜」を迎えました。
こつこつと努力することを自分に課しています。
「事業は人なり」と言われるが、これは全くその通りである。どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していくものである。
いかに立派な歴史、伝統を持つ企業でも、その伝統を正しく受けついでいく人を得なければ、だんだんに衰微していってしまう。
経営の組織とか手法とかももちろん大切であるが、それを生かすのはやはり人である。・・・
上記は、事業は人なり/ 松下幸之助 [一日一話]よりの引用・抜粋ですが、
『真の企業再生/創生は人なり』
というのも当てはまると思います。
「大企業」と「ベンチャー企業」のご支援での違いで際立つのが、
「仕掛け型人財」と「こなし型人財」の比率です。
「ベンチャー企業」には、当たり前ですが「仕掛け型人財=仕掛け人」が多く、「こなし型人財=こなし人」が不足しています。
逆に、「大企業」には、「こなし型人財」が多く、「仕掛け型人財」が不足しています。
事業が安定している時は、「オペレーション/マネジメント」の得意な「こなし人」が多くなります。
大量生産・大量消費の時代には、何をすれば良いのかが明確であり、利益を上げるために、改善・効率・正確の処理を重視した「こなし人」が占めていきます。
ところが、時代が激変しています。
レールのある「鉄道の時代」から、レールのない「航海の時代」(第141夜)に移行しています。
何をすれば良いのかが、不確実・不明確になっています。
その原因は「IT」「AIoT」「グローバル」による価値観の変化が底流にあります。
それに呼応して、「ルール(規則)・ツール(手段)・ロール(役割)が大きく変わりました。
当初は、
・リストラクチャリング:企業を縦串で見た時に必要のない部門を削除
・リエンジニアリング:企業を横串で見た時に必要のない仕事を削除
で対応してきましたが、それでも溝が埋まらない、先が見えないことが明確になってきました。
つまり、「処理」では対応できない『壁』を乗り超えるためには?
が経営課題になりました。
それで、「改善・効率」<「革新=イノベーション」
が必要であるという認識が高まりました。
そこで、いよいよ必要になってきたのが、
・リオリエンテーション:「進むべき方向」の抜本的見直しを意味
現在、将来と必要な人財は、「イノベーション/イメジメント」の人財です。
それを志向している人財群が、「ベンチャー企業」に向かっています。
「AIoT」「ロボット」「副業」「パラレルキャリア」の時代を牽引する「宝」です。
さて、この「リオリエンテーション」は一見、「こなし人」でも対応できるように見えますがそこが勘違いです。
結論から云えば、「高度処理:こなし」と「革新:仕掛け」とは次元が違うのです。
それを様々な業種業態で体験してきました。
外部人材を使うより前に、企業内で「企業再生・創生プロジェクト」が立ち上げられます。
その時に、「処理」が得意な「良い子」が数人選ばれて検討が行われます。
しかし、だいたいそのプロジェクトは上手くいかないのが実情です。
それは、二つの問題があります。
① 経営陣が「企業再生・創生」のために、どこまで逸脱していいかを明確にできないこと。
・それは、経営陣は「こなし人」が多いコト。
・「企業再生・創生の方性」を示さないこと、示せないこと
・従来のやり方・考え方が通用しないことが分かっているのに、手間暇かかる逸脱を良しとしないこと
小手先でなんとかできないかという想いが経営陣にあること
② 処理が得意な「こなし人」は逸脱が必要な「仕掛け人」ではないこと
・「リストラ」のステージで「仕掛け」が先に辞めていきます。
・自分の業界/地域の狭い領域から、坂本龍馬のように外遊することをさせていない
・「良い子」は、不確かな将来への逸脱が苦手です。
それが、選抜したメンバーの「企業再生・創生」が上手くいかない大きい要因です。
内弁慶の会社はそこで悶々されています。
危機意識が閾値を超えた会社は、「外部人財」の活用へ動きます。
ここでの課題は三つあります。
①経営陣と「革新=イノベーション」の深さ・高さ・領域の共通認識化
②「良い子・こなし人」を「仕掛け人」に転換すること
③「真の企業再生・創生」にむいた「外部人財」を選択すること
「事業再生・創生」は、社内外の「人財=人なり」で決まります。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ