橋本元司の「価値創造の知・第151夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑤一線を超えて、境い目をまぎらかす

2018年5月25日 二つでありながら一つ

右肩下がり、行き詰まりの現状の先に未来はありません。

『真の企業再生・創生』の実行の基盤は、

① 一線を超える
② 境い目をまぎらかす

ことにあります。
従来のやり方・考え方から、「①一線を超える」ことです。
それは、これまで綴ってきた「常識」「執着」「主役」から離れることを意味します。
これまでの成功体験から脱皮することがなかなかできないのですね。

しかし、できないことはありません。

ポイントは、「深い知・高い知・広い知」を持つことです。
深く、高く、大きく観ることで、『次の一手』は必ず観えてきます。

そこに必要なのは、“大局観”と“覚悟”です。
“大局観”があれば、「一線を超える」覚悟ができます。

次が、「②境界をまぎらかす」ことです。
「サナギから蝶」へ脱皮、変態したときに、何かが変わっています。
或は、「サントリー」と「パイオニア」の異業種コラボレーションでできた「ピュアモルトスピーカー」(第18夜、第35夜)では、二つの極の境い目をまぎらかすことで「新しい性質」「新しい命」が備わってきます。

これは、好みの文化に数寄をもちこんだ張本人は村田珠光の言葉「和漢のさかいをまぎらかすこと肝要」「さかい」にこだわらないで、これを融合させなさい、あるいは交ぜなさいという提案に通じます。
佗び茶の祖と呼ばれる村田珠光の言葉「和漢のさかいをまぎらかす」は、唐物と和物の境界を取り払い、調和させることで新たな美をつくることを示したものです。

もともと私たち日本人は、自分たちの持っているリソースを活用して、「さかいをまぎらかして価値創造」することを大得意としているのです。

そして、最も重要なことは、
“①一線を超えて、②境い目をまぎらかす”
①②を別々にせずに、『二つでありながら一つ』(第33夜、第82夜)で把えるスキルです。

その方法を磨くコトが、『真の企業再生・創生』への秘訣です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
境い目