2018年6月3日 パッション→ミッション→アクション
『真の企業再生・創生』の実行の大元には、“使命感”の存在が必須です。
逆に言えば、“使命感”のない『企業再生・創生』は本物ではありません。
『真の企業再生・創生』を前職・パイオニア社で挑戦・実践し、新価値創造研究所として独立してからは、それを多業態/業種でご支援してきました。
そこには“使命感”という目にみえない「気付き・はたらき」が重要な役割を担っていることを実感・痛感してきました。
自分自身の体験では、“使命感”は「気づき」とともに音連れ、その奥には、“自分(達)が何か大きなものにつながっている、生かされているという感覚”を伴っていました。
なにか『X』という大きな課題がやって来る。それを受けて、深く・高く・広く考え、実践して、次に渡していくのが使命。遺伝子も同じことをやっているのでしょうか。
“使命感”は、自分のために使うのではなくて、人のため、世の中のために「命を使う」というのが道筋に想います。
・吉田松陰の使命は?
・坂本龍馬の使命は?
“使命感”は不思議です。
「負」を背負うけれども、心の中はワクワク。生きがいに直結しているから、世界と繋がるからです。
「負」があることで、『イノベーション』・『真の企業再生・創生』に繋がります。
そのことで、前夜(第151夜)の“一線を超える”のです。
・第3夜:「負(マイナス)」の美学
・第4夜:用意と卒意
・第50夜:「欠けたモノへの熱い想い」
何よりも、“使命感”は“生きがい”とともにあるのです。ここがとっても重要です。
“生きがい”をもって目を輝かせて働かれている社員の方達がどの位おられますか?
それは、「強制」ではもたらされなくて、「共生」が中心にあります。
お医者さんは、どんな状況下でも「人を助けるのが仕事」という使命感が元にあります。
・ソフトバンクは、“情報革命を通じた人類と社会への貢献を”
・ユーグレナ(出雲充)は、“ミドリムシで世界を救うことに決めた”
・私(橋本元司)の“使命”は、“「新価値創造」で人々を幸せにしたい”
さて、皆様の“使命”“使命感”はいったい何でしょうか?
皆様の会社の、地域の“使命”は何でしょうか?
立ち止まって考えてみてください。
それに“気付く”ことが“再生・創生”の始まりです。その時の気持ちは、大きな何かにつながる“感謝”です。
そして、“一線を超えていく”のです。変革の体験です。
それは、皆様の“生きがい”と強く繋がっていますか?
“使命感”は“生きがい”がともにある時に、疲れを感じませんね。
その繋がりが薄れてきた、欠けてきたときには注意が必要です。
第56夜に綴りましたが、諸行無常に時代は変化するのであり、「自分・事業・地域の使命(ミッション)を再定義」をする必要があります。
そう、薄れてきた、欠けてきた“使命”を再定義して再生・創生することが必要なのです。
時代は、一人ひとりの仕事が世の中にどう役立っているのか、「使命」は何か?「志」は何か?を明確に持っていることが求められるようになりました。
それを促進・増幅させているのが、「Facebook」を始めとするSNSです。
20世紀に比べて、今は、様々な選択に“自由度”が拡がりましたね。
“自由度”が拡がるということは、同時に「不安」「リスク」も高まるということです。
「不安」「リスク」が高い時代になってきました。そのままでいることが「リスク」になっています。
だからこそ、共感できる、共感される「本気の存在理由/存在意義」をオープンに明確にすることが必要です。
今、問題となっている「日大・アメフト部の悪質タックル」に関わる経営陣(理事会)が問われている本質はそこにあるように思います。
『真の企業再生・創生』の為の「使命と価値創造」の関係については、
・第75夜:『深い知(本来)・高い知(将来)・広い知(縁来)』
・第89夜: ミッション→ビジョン→イノベーション
・第125夜: 「質」が変わる、「世界」が変わる
にありますので、是非ご覧ください。
パッション(本気)により、ミッション・ビジョン(本質)が生まれ、アクション(次の本流)に繋がります。
“使命(ミッション)”は、“本気”“志”“当事者意識”“生きがい”とともにあります。そして、人間を超えた何か大きなものに生かされているということの「発見」でもあります。
その発見は、何かに必要とされているという使命感につながります。
さてさて、最後に“使命感や志だけでは経営は成立しない”についての「松下幸之助氏の言葉」を引用します。
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使命感半分、給料半分
人間には、“欲と二人連れ”という言葉もあるように、自分の利によって動くという面と、使命に殉ずるというか、世のため人のために尽すところに喜びを感ずるといった面がある。
だから人を使うにしても、給料だけを高くすればいいというのでなく、やはり使命感というものも持たせるようにしなくてはほんとうには人は動かない。
もちろん使命感だけで、給料は低いというのでも、これはよほど立派な人でない限り不満を持つだろう。
普通の人間であれば、使命感半分、給料半分というところだと思う。
そのようなあるがままの人間性に則した処遇をしていくところに、適切な人の使い方があると言えよう・・・。
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価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ