2018年6月12日“「余白」を見つけて、新しい世界を創る”
決められた「枠の中」で考えるコト、頑張るコトが、日本人は得意です。
その「枠」から逸脱して「別の枠を創る」ことは、日本人は得意ではありません。
しかし今は、「枠の外」を考えるコト、逸脱するコトが当たり前の様に求められてきています。
工業時代と違って、情報時代、脳業(AI)時代は、世の中の枠組み(パラダイム)と速度が大きく変わってきますね。
世の中、そして、人生は「諸行無常」なので、無常迅速に移ろい変わっていきます。
糸井重里さんが「インターネット的」という本で記している中で、自分が好きな箇所を引用します。
“ある固定した考え方を続けていくと、鬱血(うっけつ)が起こってきて、床ずれし始めます。その始まりのサインは軽い不快感です”
先人達が決めた先入観、常識を疑い、この床ずれに気づくのが「問題の発見」になります。
・「何か」おかしい
・「何か」変だ
・「何か」欠けている
これまでの「ものさし」「メガネ」に合わない事象が会社/地域のあちらこちらで生じています。それまでの「Know How」が通用しなくなっているのですね。
「Know-How」から、「Know-Why」への転換が必要です。
「Know-Why」とは、“なぜ、そうなる(する)のか?”と疑問を持ち、その理由・原理・目的・動機などを知ることです。
モノゴト、事象の「根幹、原理原則」にアプローチ(接近)することになります。それは「深い知」(第75夜、第85夜)の内容と同じです。
それは、「航海」で云えば、『錨(いかり)』の役割となります。
「何かおかしい、変だ」というのは、船が漂流し始めていることに似ています。時代は、次代は、レールのある鉄道の時代ではなくて、レールのない航海の時代です。
漂流しないように、依ってたつところ、拠り所、基盤が持てているのか、いないのかは大きな違いがあります。
それは、変化する事象の“本質”を把えることです。
その本質の把えかたについては、第85夜、第86夜に綴ってきました。
「いったい、何故なのか?」
それを会社としての習慣としている代表が『TOYOTA』です。
前職・パイオニア社では、ビジネス上の関係から、「TOYOTA(5回の)ナゼナゼ分析」で十分に鍛えさせて貰いました。
それは、「改善・改良」ではなく、「革新」にむかうものです。
さて、“問題(社会)の本質を「知る」だけでは意味はありません。なによりも、その問題(社会)の現実を、より良いものへと「変える」ことが大切なのです”
「知る(把える)」と「変える(変わる)」を繋いで実践することが重要な時代です。
事前認識としては、
・顧客からみて、「魅力」がなくなっているコト(第136~140夜)
・眼前の現実が「欠けたモデルである」コト(第136夜、第145夜)
を冷静に分析していることが助けになります。
「欠けている」「不足である」ということを“創造のチャンス”として前向きに把えられるかどうかです。そこには「余白」があるということです。
その「余白」(第22夜、第89夜):「余白」が大数寄)を使って、「どうしたら、社会/顧客を幸せにすることができるだろうか?」
と想像して創造することです。
だいたい、現状の事業/地域の延長線上の将来を考えると普通の感覚なら『深刻』になりますね。それが通常です。
それは「視野・視座」が狭いと思ってください。未来/将来の「視野・視座」を拡げるにはどうしたら良いのでしょうか?
この『深刻を解放する』有効なツールの一つが前夜(第155夜)に綴った「シナリオプランニング」です。
何故でしょうか?
チームによる「創発」で、「複数の打つ手」がみつかるからです。
(通常は、ドライビングフォース(推進力)の2軸でできる4象限の世界が拡がります)
つまり、3~4つの象限からなる「新しい世界」が立ち現れます。羅針盤の一歩手前です。
そこで、立ち止まってもいいのです。急いでも焦ってはいけません。「深い知」と「高い知」を往復することで「大局観を身に着けること」が重要です。
新しい世界(象限)に気付いたライバルが先に手を打っていたり、予期していない異業種が参入していることもあります。その「地(分母)と図(分子)」(第105夜)を観ることが戦略策定の一助になります。
「バリュープロポジション」(第37夜)をもう一度見渡して確認してくださいね。
異業種コラボレーションという手も見えてきますね。行政や大学と手を組むこともありです。
その辺りは、第90夜~99夜にわたって、『価値共創進化(価値共創1.0~5.o)』で綴っていますので関心のあるかたは参考になさってください。
「新しい象限に挑戦」するには、今までにないリソースと決断が必要になります。大変なのですが当然ですね。
選択と集中をして効率化してきたので、その用意ができていないのが通常です。その上で、この「壁」を乗り超える“覚悟と勇気”が必要になってきます。
それが、『真の企業再生・創生』に繋がります。
そして、そこで「深く・高く・広く」頑張った人/会社/地域には、ご褒美が巡ってきます。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ