橋本元司の「価値創造の知・第159夜」:スティーブジョブズ編 ③ Love and Loss

2018年7月8日 愛(信念)・真実(感情)・喜び(創造)

本夜は、ジョブズ氏の卒業式式辞の「The second story」です。そのテーマは、「love and loss=愛と敗北」。
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アップルを追われなかったら、今の私は無かったでしょう。非常に苦い薬でしたが、私にはそういうつらい経験が必要だったのでしょう。最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事でも恋愛でも同じです。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛することでしょう。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。
すばらしい恋愛と同じように、時間がたつごとによくなっていくものです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。
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①偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛すること
②最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと
③探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません

ここでは、『愛』『信念』が中心に語られていますね。
そこには、目に見えない“感情・経験”と深いつながりがあるのです。

さて、新価値創造研究所が主宰する「価値創造・6か月講座」の後半の後部でメンバーにお見せするのが添付図です。『愛』『信念』が描かれていますね。
これを講座の最初に持ち出して説明してもだいたい伝わりません。受講者の「思考と心」がイノベーションの心得と方法を「用意」できていないので、「卒意」(第4夜)にすすみません。
半年に亘る「深い知・高い知・広い知」による体系的な“感情・思考・経験”を通して確実に腑に落ちてゆくのを経験しています。

さてさて、ジョブズ氏は、「HOW(どのように=オペレーション)」でなはく、「WHY(なぜ=イノベーション)」中心の人なのです。それは、第157夜に綴った「禅(ZEN)」の思考です。
ジョブズ氏は云います。「③探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません」

「深いWHY」の奥に、心の中に、「何か」が観えてきます。(色即是空:第6夜)
その大元を通して、“情熱・パッション・本気”が生まれます。

図解の様に、「愛(信念)」と「真実(信念)」が心に働きかけ、「本気」になってゆくのですね。

「本気・情熱」は、モノゴトの「本質」を見極めようとします。その核心・確信が、「使命=ミッション」となります。
「本気(心)」と「本質(技)」が揃うことで、「次の本流(革新)」(空即是色:第6夜)に向かいます。

つまり、
・本気(心)⇒ 本質(技)⇒ 本流(体)
・パッション ⇒ミッション ⇒アクション

という流れがイノベーション(革新)への流れ(プロセス)です。

そこに必要なのが、「愛(信念)・真実(感情)・喜び(創造)」というインビジブルな心の働きです。
そこには「利他の精神」(=相手の、または他人の利益や便益を重んじ、自己をささげる心構え。利他を行動原則とする考え方)が観えませんか。
(やはり、納得するには、「感情・思考・経験」が必要です)

さてさて、それ故に、新しい市場と新しい文化を生み出すことになります。つまり。文化が経済をひきつれて「文化経済」が華ひらきます。

「iPhone」は、新しい文化/市場を生み出しました。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」

スティーブジョブズ03