橋本元司の「価値創造の知・第166夜」:スティーブジョブズ編 ➉自分の土俵をつくる

2018年7月26日 社会的価値共創(協働・連携)へ

ジョブズは、「コンピューター・音楽・映画・通信」の4つを根底から変えました。
一つの変革だけでもたいへんなのに、世界の人々のライフスタイルを変えて、業界を横串して進化させました。

それまでの「物づくりと物語り」を一新しました。今までにない『土俵』を創りました。

「iPhone」以前のスタイルを思い浮かべてください。「iPod」「デジカメ」「携帯電話」「インターネット」「ボイスレコーダー」等バラバラにありました。
私は「情報機器」数寄者なので、それらを持ち歩いていました。 それらが、一つになったのです。

iTunes(アイチューンズ)を介して、「ハードウェア*ソフトウェア・サービス」が融合しました。
iTunes Storeを通して、ビジネスウェアも繋がり、結果、多くがシームレスにつながるようになりました。

ジョブズは、自分の“想い・情熱”をカタチにしました。
その想いの源は、「“マルチメディア”により、人生を豊かにしたい」

それまでなかなか実感できなかった“マルチメディア”がジョブズにより具象化しました。
朝の通勤電車の風景や、待ち合わせのスタイル、エンタメのバリエーションが大きく変わりましたね。

それまで、「iPod」「MDウォークマン」「デジカメ」「携帯電話」「インターネット」「ボイスレコーダー」というエレクトロニクス機器が同じ競技場でそれぞれのレーンで競われていたのが、
全く違う競技場で「iPhone」がひとりで走り始めました。そのピークは「iPhone4、4S」でしたね。

「土俵」を変えたのです。それまでの分母が変わりました。拠って立つ分母が変われば、分子も大きな影響を受けます。多くの業界が淘汰されました。前職の「オーディオ業界」「ソフト業界」もその一つです。
それは、「進化(エボリューション)」という言葉がぴったりです。

そう、「イノベーション」の定義が、「革新」から「進化」に変わった時でした。
エレクトロニクス業界だけでなく、殆どの業界が「進化」を要請されるようになりました。

それまでは、企業が社会に何を提供するのかという「シーズ」で分類された産業でしたが、それからは生活者が何を求めているのかという「ニーズ」で分類される産業に転換しました。
それには、「シーズ」という「縦串」に分類された産業に、「ニーズ(人生を豊かにする)」という「横串」を通すプロデュース機能が必要となります。

私が1995年に起こした「ヒット商品緊急開発プロジェクト」は正にそれを意識した活動でした。
・「芸術点(アーティスティックポイント)と技術点(テクニカルポイント)」の統合
・異業種コラボレーション
です。

そこでは、価値共創の“ものさし(メガネ)”が必要です。
・物づくりの時代に必要なのは、“ものさし”
・コトづくりの時代に必要なのは、新しい“コトさし”
・ツナガリづくりの時代に必要なのは、新しい“ツナガリさし”
それが、相手の土俵でない、自分の土俵づくりには必要なのです。

そして、現在求められているのは、「異業種コラボ(協働)」を超えて、「社会的価値共創(協働・連携)」です。その『価値共創進化』は、 第90夜~99夜にわたって綴ってきました。
その「社会的価値共創(協働・連携)」を通じて、「シーズ型産業」から「ニーズ型産業」へ脱皮・進化し続けていくのが『今』です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」

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