橋本元司の「価値創造の知・第169夜」:経営アドバイザーから経営ナビゲーターへ

2018年9月21日 コンサルタントの「本来と将来」(知識と知恵)

本夜は、自分も深く広く関わっている「コンサルタントの知」について綴ります。

コンサルタントには大きく2種類あります。
①経営アドバイザー
②経営ナビゲーター

「①経営アドバイザー」は、問題が明確で、何をすればいいのかが分かっている「経営の改善」です。それは、これまでの培った「知識」の活用です。
世の中のコンサルタントの殆どがこの①経営アドバイザーですが、問題が顕在化しているので、短期的な対応が可能です。
経営に足りない部分を既知のもので、「パッチワーク (つぎはぎ)」するというイメージです。

それは、身体で例えれば、左腕の皮膚が痒いので、とりあえず「ムヒ」を塗る。そうすると、痒みが消えたり、やわらぐというイメージです。。
しかし、その原因が肝臓にあるとしたらどうでしょうか。ムヒで「改善」はするけれども、真の解決には届きません。

もう一つの「②経営ナビゲーター」は、現在事業の延長上には未来がないという前提から、問題の本質を発見し、従来のやり方、考え方を変えて事業機会を発見する「経営の革新」にコミットすることです。
上記の例でいえば、痒みの原因が「肝臓」であることを突き止め、「肝臓」が異常になる原因(飲酒、ストレス等の生活習慣や環境)を変えることに気づいてもらい、伴走すること。必要に応じて外科手術を施す。
そして、将来に亘る継続的な心身の健康にコミットするものです。
ビジネスの現場では、環境の変化が激しく、その変化に対応した「顧客価値の創造→事業機会の発見→新需要の創造」という「知恵」が求められます。
事業に行き詰まりがあるというのは、「顧客価値の創造」という「余白」が見つけられなくなっていることを意味します。(第3夜:「負」と「余白」の価値)
事業とは「欠けたモデル」であると認識して、継続して革新していく必要があります。

・①「経営アドバイザー」⇒「パッチワーク・改善」
・②「経営ナビゲーター」⇒「価値創造・革新」

前職(パイオニア社)では、複数の指折りの大手コンサルティング会社の高額コンサルティングを事業部や研究所で受けました。
ただ、その内容は、欧米のやり方(テンプレート)をなぞったもので、「顧客価値の創造→事業機会の発見→新需要の創造」には全く届かないものでした。
つまり、結果的には「①経営アドバイザー」レベルなので、何回もガッカリしました。
それまでのコンサルティング会社が、右肩上がりの時代では通用したものの、枠組みが変わった情業、脳業時代には対応できないことを確認しました。(第109夜)

何故、そのような高額コンサルティングファームに依頼するのでしょうか?
それは、結果がでなくても「このような有名なコンサルティング会社でやってもらった」(からしょうがない)
という経営者の言い訳に使われているからです。

いま、日本の「再興」の声が大きくなっています。(第147夜)
そこに必要なのは、「経営アドバイザー」ではなく、「経営ナビゲーター」です。
「価値創造⇒需要創造」のできる「経営ナビゲーターの心得と方法」を体感、習得することで、はじめて「創造型社員」が育ちます。
そのような創造型社員がいなければ、新価値・新需要を生み出し続けられる組織・会社、つまり成長経営になりません。

会社であれ、地域であれ、上記の「価値創造できる人財開発」と「経営ナビゲーター」活用へのシフトが急務です。

これまで、この「価値創造の知」連載はそのための「心得と方法」を深く、高く、広く記載してきました。
詳細は、ホームページ新価値創造研究所をご覧ください。

私たち新価値創造研究所、そして、4人で新しく結成した「チーム創発」は「成長経営ナビゲーター」です。
ご活用いただければ幸甚です。

価値創造から、事業創生、地域創生、人財創生へ
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