2018年10月13日 事例:オーディオの未来
前夜、前々夜に引き続いて「コンサルタントの知」について語ります。
・前々夜のテーマは、「経営アドバイザー」から「経営ナビゲーター」へ。
・前夜のテーマは、常識から逸脱すること。「箱を出る(Think outside the box)」でした。
その一番「根っこ」にあるのは何だと思いますか?
それは、「経営とは、変化に対応すること」です。
腑に落ちますか?
ここでは、前職の「オーディオ」を事例にして、変化に対する下記「2つのパターン(型)」をご紹介しますので理解の参考になれば幸甚です。
A.改善型
B.革新型
この二つの型を、現況の自分の会社/地域に当てはめてみて(=類推して)みてください。
A.改善型
・1970年、自分が中学、高校の時に、自宅の居間には、YAMAHAの「セパレート・ステレオ」がドーンと置いてありました。
・1977年、ご縁があって、㈱パイオニアに就職しました。
技術系出身ですが、新人全員の営業実習があって、自由が丘の丸井のオーディオ売り場に一か月、店員となりました。
「コンポーネント・ステレオ」がほんとうに飛ぶように売れました。(開店時間に伝票を書いている時間がなかったので、事前にお客様情報以外の内容を記載していました)
それから暫くして、中森明菜の「プライベート・ステレオ」へ変遷してゆきました。
・1989年がホームオーディオの売上はピークを迎えました。それは、バブル崩壊の2~3年前です。
ここから東南アジアで生産移管が始まり、急激に売上/利益が落ちてゆきました。
・1992年、自分はホームではなく、カーオーディオに籍を置いていたのですが、「オーディオ活性化委員会」「超高密度委員会」に召集されて数か月検討を行いました。
予測としては、
①翌年、国内オーディオ事業が、30億円の赤字になる
②CDメカに変わるオーディオの時代がくる
③13年後の2005年に、パッケージ系・放送系・通信系に不連続の変化が起きる
その背景と処方箋の提案となりました。
自分は両委員会を兼ねていたので、それを編集した予測・洞察を経営会議で発表しました。37歳の時です。
経営会議では、技術開発統括から「①②③になるはずがない」というコメントがあり、後で呼び出され叱られました。
しかし、その①②③はすべて現実のものになりました。
1989年以前は、「A.改善型」で良かったのです。
しかし、2005年以降は、「B.革新型」が必要だったのです。
それでは、「2005年」に変化に対応すればいいのでしょうか?
上記の経営会議で自分は、
「2000年までに、次の変化への対応をする必要があると考えます」
と訴えましたが却下されました。
さて、オーディオと人との関係はどのように変化したのかをみてみましょう。
a.居間
b.机の上
c.ポータブル
d.ポケッタブル
B.革新型
上記の次は、
e.Wearable
f.Hearable(聴覚)
g.Heartable(脳・心・意識)
に移っていくと洞察・確信しました。
自分は将来の実現のイメージを持って、
・1995年新社長に直訴(⇒ヒット商品緊急開発プロジェクト)して
その第一段からリリースしました。もう、30年弱になりますね。
「Audio]」は、どんどん人間の皮膚に近づいているのがわかりますね。
そして、インナーに入っていきます。
それは、図のように、「ディスプレイ」も一緒なのです。
このオーディオ(聴覚)、ビジュアル(視覚)、タンジブル(触覚)が新結合して、そこに、「AI(脳)、AR」が加わるのですね。
その時に、ワクワクドキドキする「音・音楽」と人との新しい関係が生まれます。
そして、ここに、アナログ・異質・キュービタルを新結合することで、「新しい文化・市場」が生まれます。
上記、「e.Wearable」以降は、「B.革新型」でなければ対応できません。
世の中の変化に対応できなければ、右肩下がりになり、新しい市場・土俵に上ることができません。退場という道をゆくことになります。
前職の卒業後、ご縁により、「サービス業~製造業、ベンチャー企業~老舗企業」と、多業種/業態と伴走してきましたが、先ず時間軸で「A.改善レベル」にあるのか、「B.革新レベル」にあるのかを客観的にみてください。
「現事業の本来と将来」が見えると、自ずと気づきがあり、経営の心構え・対応の仕方が変わってきます。
ただし、変わらないのは、その本質には「顧客の幸せ」という視点・視座があることです。
それを水先案内する私たちは、あなたの外部「成長経営かくしん室」です。
価値創造の知から、「事業創生、地域創生、人財創生」へ
