2018年12月13日 俳句道、華道、そして、価値創造の知(深い知)
前夜は、パイオニア社の「投資ファンドの完全子会社化」というニュースに関連づけて、
「③リオリエンテーション(「進むべき方向」の抜本的見直し)」の重要さについて綴りました。
芭蕉は、俳諧を「リオリエンテーション」したイノベーターでした。
それは、「言葉遊び(滑稽や戯れ)」の俳句を『俳句道』に高めました。
それは、新しい文化であり、ライフスタイルにつながります。
新価値創造研究所が考える「価値創造の望ましい姿」は、多くの人々に役立つ新しい文化・市場・ライフスタイルを創ることです。
さて、『俳句道』を命名しましたが、相撲道、華道、茶道、柔道・・・、と「~道」と「道」がついています。
そこで使われる「道」とは、何なのでしょうか?
辞書には、「道とは、(相撲等の対象における)真理追求や生き様のこと」とあります。
それでは、真理追求や生き様の「道」についての自分の強烈な印象を記します。
それは、2009年12月19日 松岡正剛師匠主宰「連塾 第3期JAPAN DEE4」でのことです。
当代随一の花人である川瀬敏郎(かわせ としろう)さんがゲストとして招かれました。
舞台の上で、花をいけられるその風姿、有り様、閑かさ、を観て息をのみました。
これまで経験したことのない、格別で別格な『華道』でした。
天と地のあいだで、心身をとおして、超一流の①しつらい、②ふるまい、③息遣い・心遣い、がありました。
閑かさや岩にしみいる蝉の声(芭蕉)
連塾の舞台には、華道の深淵な『閑かさ』がありました。
正直、ぶったまげました。
「あ~、これが本物の本当の華道なんだ」と。
言葉では伝えることができません。
この「価値創造の知」で何回か記してきましたが、
早くに、最初に、「格別・別格」の超一流を体験すること(第26夜・第119夜)がとっても重要なのです。
そこには必ず、身体性と心性と霊性があります。
芭蕉には、身体・現場をとおして、天と地のあいだにある心性と霊性の「真善美」を極めたように観えます。
ゆえに、それは『俳句道』にまで高まり、現在に続いているのではないでしょうか。
『道(タオ)』については、老子の知(第177夜)に綴りました。
その『道(タオ)』は、「空即是色空即是色」(第6夜)の『空』と同じであり、
それは「大元(おおもと)」のことを言っています。
『・・道』には、この「大元」に繋がっていることが必要です。
「価値創造の知」の第一法則(深い知:第85~86夜))は、この「大元」そのものです。
ゆえに、新しい文化・市場・ライフスタイルにつながります。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ