2018年12月22日 インストラクション図解
私たちの生活や仕事は「コミュニケーション」で成り立っています。
そのコミュニケーションを推進する役目を担っているのが、「インストラクション」です。
「インストラクション」と「コミュニケーション」は『二つでありながら一つ』(第33夜、第175夜)なのです。
その「インストラクション」の働きと活用法を理解していることが、個人的にも仕事にも人生を豊かにすることに繋がります。
それはどの様な構造をしているのでしょうか。
「理解の秘密」を自分なりに図解して加筆引用していますのでご覧ください。
さて、図の様に「インストラクション」には5つの要素があります。
1.送り手(GIVERS):インストラクションを出す人
2.受け手(TAKERS):受け手は、インストラクションにただ黙って従っているだけではなく、アクティブに行動しなければならない。
3.内容(CONTENT):メッセージそのものであり、表現方法には制約されない。
4.チャンネル(CHANNEL):メッセージの形式、仕上げ方でる。
5.コンテクスト(CONTEXT):インストラクションを届ける場面、背景である。
上記の5つの要素を地(分母)と図(分子)に分けました。
第105夜に記載していますが、「プランニング編集術:松岡正剛師匠監修」に書かれている「地」と「図」の関係がここでもたいへん参考になります。
-------------
・発想のための「地」と「図」
情報には、「地」(ground)と「図」(figure)があります。地は情報の背景的なものを示し、図はその背景に浮かび上がっている情報の図柄をさします。
情報を瞬間的にとらえるとき、私たちは情報の図をみていることが多いものです。「地」情報は、漠然としていたり、連続しているいたりするので思考からついつい省いてしまいがちです。地の情報は、見ているようで見ていないのです。
意識して「地」の情報に着目してみましょう。何を地の情報としているかです。
・・・
----------
そう、「インストラクション/コミュニケーション」には、この依って立つ「地」(分母)の部分が重要なのです。
「夫婦喧嘩」のことを思い浮かべてみましょう。
だいたい、この「地」(分母)の部分が問題なのです。
お互いの拠って立つコンテクストが共通が多く、理解していればいいのですが、『背景(バックグラウンド)=地』が違いますね。
その場が、「疲れていてイライラする」場面であったりすると尚更です。
ご支援する会社の社長さんと自分との間にも、知識・体験・専門性の『背景(バックグラウンド)=地』が違います。
他業界の事例やビジネスモデル知識、対象事業の「本来と将来」の見立て、本質的な課題や不易流行の把え方等々です。まあ、同じであれば、ご支援することもありません。
前職・パイオニア社でプロデュースした「異業種コラボレーション」も、異業種でありながら、共通の価値観を紡ぎ出すためにこの『背景(バックグラウンド)=地』を共通認識することが重要です。
一体、何を分母として話をするのかによって、コミュニケーションの良し悪しが変わります。
それは、TV上の討論であったり、会社の会議であったり、夫婦の会話でも同様です。
何か会話や会議がうまく行かない時に、その「地」「分母」「本分」を『再定義』することがポイントです。
これをしないで、空回りした時間が過ぎてゆき、何も決まらない会議でいっぱいです。
そこでは、『価値』が生まれませんね。そして、それは「働き方改革」の分母でもあります。
図解のこの「地・分母・本分」を「送り手」と「受け手」が共通認識したらどうなるでしょうか。
はるかにスムーズになることがイメージできませんか。
第33夜、第192夜で「不易流行」について綴りましたが、この「分母(コンテクスト)」で「不易流行」を認識することが有効です。
それにより、いい見立て、いい仕立てにつながること、間違いなしです。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ