2018年12月25日 「懸命」(WILL)と「賢明」(SKILL)
会社で「何も決まらない会議」でイライラしたことはありませんか?
誰もが経験しますね。
特に多いのが、
・リーダーシップの欠如
・イメージメントの欠如
・相手先や外的要因からの理不尽な要求
・問題の原因が分からない、見える化されない
・問題の先送り
・他の部門との連携が必要なのになされない
・営業・マーケ部門と設計・開発部門の責任のなすり合い
・等々
議論する時に、前夜(第197夜)の地(ground)の共有と本質を把えることが重要です。
そのことが有効な『次の一手』につながります。
自分ゴトなのですが、前職パイオニア社では、
・(工場)設計→労働組合→技術企画→(本社)情報企画→開発企画→ヒット商品→研究所→新規事業開発
という順番で異動しました。
「設計」時代には、「商品企画」の決定が遅く、そのしわ寄せが「設計品質」、「製造品質」に大きな影響を及ぼすことを身をもって体験してきました。
如何に上流のほうで、「質の高い」決定ができることが「設計」「製造」の負荷を無くす、つまり、「後始末」に時間がかかり悪循環になるを防いでくれるのです。
その取組みが「働き方改革」につながります。
決定の遅さで、「設計」の残業時間が、100時間越えを3か月続けた時は心身共に疲れ果てたことを忘れません。
そのようなことを何回か経験してから、2000人規模の労働組合の書記長になりました。
ここには、工場の横串でメンバーが集い、建前ではなく、本音の話が聴けたことがその後の全てのステップに役立ちました。
早速、超過勤務の「新ルール」を取り決めました。(第38夜:懸命と賢明、そして“働き方改革”)
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それはもう30年前の話になりますが、今で云う、「働き方改革」です。大局的に意識を変える必要があります。何か大きな事故がないと、なかなか治らないのですね。
残業に対する規制の新制度は、2年前に労組の先輩たちが創ってくれたのですが、数値を規制するだけでは歪や悲鳴が出てきます。
自分が30歳の時に、会社との交渉で事前準備して使った言葉は今でも覚えています。
“もう私たち組合員は、通常のレベルを超えて十分以上に「一生懸命」に仕事をしています。
今必要なのは、足りないのは、「一所賢明」ではないでしょうか。
「懸命」を超えるには「かしこく明らか」にする賢明の知恵が必要です。
会社は組合員の「一生懸命という精神力」に頼ってしまうのではなくて、「賢明」という“知”で働き方を改革する必要があります。共創しましょう”
という提言をして、「懸命」(WILL)と「賢明」(SKILL)を合わせた取組み、仕組み(新結合)を会社と労組でタッグを組んで進めました。叡智を集めて、仕組みを創ることがとても重要なのです。
そのことで、意識改革と大きな成果が出ました。
(上記の「懸命と賢明の新結合」も、第31夜~第37夜でお伝えした“二つでありながら一つ”という最も重要な方法です)
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労働組合を3年で降りる時に、「技術の方向性」を速く出せるように、『技術企画』という部門の開設を会社にお願いしました。
その一期生として「企画」と「技術(設計・開発)」の橋渡しを行い、技術発表会の「コンセプト(=新価値創造)」(第13夜:倒産、そして新価値創造)を定めて実践しました。
設計や労働組合(書記長)では速くモノゴトを決められていたことが、技術企画・開発企画では、不確実なことが多くなることで決定に時間がかかりました。
特に、「技術企画」では、二年ほど「書記」もしていたので、「何も決まらない会議」の時は、いったいどこに問題があるのかを客観的に観るいい経験をさせて貰いました。
そのうちに、先送り体質の「商品企画」の決定のやり方に「問題」があることが分かってきました。
その解決のための提案をしていたら、「本社・商品企画」に異動になってしまいました。
そこのやり方、物差しが時代の波に合わないので、次期社長に直訴しました。その第一弾が「ヒット商品緊急開発プロジェクト」の誕生に繋がったのです。
その延長上に、研究所の異動と「10年後の将来シナリオ」が続きました。
前述の様に、「本来と将来」を議論する時に、前夜(第197夜)の地(ground)の共有と本質を把えることが重要です。
そのことが、「何も決まらない会議」「働き方改革」の一丁目一番地です。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ