2019年3月1日 日本再興!!
「落合陽一さんと価値創造」を11夜に亘り綴ってきましたが、本夜で一区切りにしたいと思います。
きっと、またどこかで綴りたい夜も出てくると思います。
前夜(第215夜)は、産業革命に匹敵するAI・超AIによる「脳業革命」について記しましたが、
それが私たちの社会(Society)に入ることで、産業やライフスタイルにどのような変化があるのでしょうか。
落合陽一さんが語った内容(第211夜)の一部を引用します。
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—明治のことを戦中の5年間を基準にして、まずそこの否定しから戦後憲法を作りました。しかし、1880年代から1930年代の日本の近代化ならびに工業成長は著しかった。
そのときには良いことも悪いこともあった。それを検証しないで戦後憲法を作った。そこをどうドラスティックに変え、コンピューター化していくかということだと思います。
—キーワードは無人化と自動化、脱人間化です。人間が人間の世話をするという常識だと思っていることを一旦忘れ、どうやって規格化した人間をなくし、パラメーター化するかということが大事だと思います。
その中でわれわれは人口減少ボーナスを受け取るために、無人化と自動化のあらゆるインフラを整えていかなくてはならないのだと思います。
勘違いしてはいけないのは、無人化自動化した環境やものの形は人の踏襲をする必要がありません。そこは脱人間化していかないと、型にはまった形をとってしまうのではないかと思います。
われわれは今デジタルネイチャー(計算機自然)の揺籃する、コンピューテイショナルダイバーシティ(計算機多様性)の世界に向かっています。
そこでは、われわれは新しい自然観と近代的人間性の超克を行っていくでしょう。
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ここに、「脳業時代」を母体とした新産業のキーワードが語られています。
・「無人化と自動化、脱人間化」
否応なく、新産業はこの方向に進んでいくものと洞察します。
ここでは、あらゆる分野で破壊的創造<ディスラプション>が繰り返されます。
もう私たちはそれを目撃し、体感しています。
それをずっと前に実感したのは、駅の「自動改札機」。
日本初の自動改札機は、1967年(昭和42年)に阪急電鉄北千里駅に設置された立石電機(現在のオムロン)製。
これは画期的でした。
オムロン創業者・立石一真氏は、未来社会に素晴らしい視点を持たれ、実行されました。
第109夜に、綴った3C(コンピュータ・コミュニケーション・コントロール)も立石一真氏から多くの刺激を受けました。
日本は自動化と機械化で伸びる産業が得意なのです。否、ここが生命線だと思います。
そして、“これまでのインターネットは統一された「マス」だったのですが、今後、AI/インターネットは個人化していきます”
そこに必要になってくるのは、左脳のComputational Diversity(計算機的多様性)と右脳の「おもてなし」です。
「おもてなし」については、第164夜に綴りましたので引用します。
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「おもてなし」とは
A.しつらい=ハードウェア
B.ふるまい=ソフトウェア(メニュー・プログラム等)
C.心づかい=ハートウェア(ヒューマンウェア)
の3つでできています。
それはとっても凄いインパクトのある言葉なのですがそれを洞察できている人は僅かです。
それが、いよいよ2020年から全面的に立ち上がります。
アップルは、「A.ハードウェア*B.ソフトウェア」という「顧客を囲い込む」覇者でしたが、2020年から「ハードウェア*ソフトウェア*ハートウェア」の「顧客に囲まれる“つながりづくり”」三位一体が世界を席巻します。
それが、「主客一体」(第93夜)の世界であり、「リアルな場」と「バーチャルな場」の双方から立ち上がり、それらが融合してゆくことが洞察できます。
いったい誰が覇者になるのでしょうか?
参考に、「おもてなし」時代の「価値共創とクラブ財」については、第97夜に綴っています。
さて、もう25年前になりますが、1993年に前職経営会議で発表した内容を記します。
「農業」⇒「工業」⇒「情業」⇒「脳業」⇒「興業」⇒「浄業」⇒
発表した1993年は、「情業」(高度情報時代)真っ只中であり、その次にくるのは「脳業」(AIoT時代)です。
ぴったし当たってますね。そして、その次は古代ローマ帝国を螺旋展開したした「興業」。それは時間差で併せて到来するのは間違いありません。
スティーブジョブズは、「情業時代」の王者でした。
次の覇者は、「ニッポン」でありたいですね。
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「脳業時代」の“Computational Diversity(計算機的多様性)”と「興業時代」の“おもてなし”をシームレスにすること(=新結合)。
そして、第205夜で落合陽一さんが気にしているwabisabi(ワビサビ)等の「日本の方法」(第76夜)を三位一体で組込むことが
「日本再興戦略」
の“ど真ん中”と洞察しています。
共に、「日本再興」に邁進しましょう。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ