橋本元司の「価値創造の知・第217夜」:「ICHIRO: 積み重ねでしか自分を超えられない」①

2019年3月22日 遠回りすることでしか、本当の自分に出会えない

昨晩にイチロー選手の引退会見があり、最初から最後までその「言葉・言霊」に魅入りました。

本夜から「価値創造」に密接に繋がる珠玉の幾つかを引退会見から綴ります。

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Q.日本人としてイチロー選手を誇りに思っている人は多い。生き様で伝わっていたら嬉しいなと思うことはありますか?

A.生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方という風に考えれば、先ほども話したように、人より頑張ることなんてとてもできない。

「あくまでも秤(はかり)は自分の中にある」

それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくを繰り返していく。するといつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。

少しずつの積み重ねしか、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。
「一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられない」と僕は考えている。

地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあるが、でも自分がやると決めたことを信じてやっていく。

それが正解とは限らない。間違ったことを続けてしまっていることもある。でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えない。ーーー

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『積み重ねでしか自分を超えられない』

これは、スポーツに限らず、「価値創造」や人生すべての道理に想います。
ただ、これを人は地道にできなくて、踏み外したり、諦めたり、楽な方に流れてしまうことが多いのですね。

自分ゴトですが、中学の時に、バドミントン国体3位の先生の指導を受けていましたが、その上で高みを目指すには、練習と実戦の『積み重ね』しかありません。
そうやったある時に、『壁』を超えている自分に気づいて嬉しくなったことを思い出します。

そして、第173夜「マイナスはプラスにするための準備期間」でも野球人「桑田真澄」さんの下記共感の言葉を思いだしました。

『練習したからといってすぐに結果が出るものではない。毎日コツコツ努力していると、人間はある日突然、成長する』
同じことを云っていますね。

さて、第147夜『真の企業再生・創生』(リストラではなく、リ・オリエンテーション)とは?
の中で、

・設計→技術企画→開発企画→ヒット商品→新事業創造→研究所→事業開発

という自分のプロフィールを記しました。

上記の「技術企画」というステージの時に、5年後に新設される「新工場の構想づくり」を統括部長から自分に白羽の矢が立ちました。

「10年後、20年後の未来を想定して検討、構想すること」

と言われ、当時33才の自分には「未来を洞察する」本格的スキルを持てていないことを自覚しました。
そこから、「将来・未来」を体系的・本格的に洞察する「価値創造の旅」が始まりました。

多くの一流の方達との出逢いと自分なりの積み重ねをそれこそ地道に行って、心得と方法を磨き上げました。
何回かの失敗と試行錯誤で、「ヒット商品プロジェクトのリーダーのステージでは、成長し将来洞察と価値創造実践が得意になっている自分」がありました。

その「道」に終わりはなく、油断していると遠のいていくという果てしない道なのですが、上記のイチロー選手の言葉には、それと重なる深みと共感がありました。
そう、今でも『価値創造の積み重ね』を更新しています。

価値創造から、事業創生、地域創生、人財創生へ

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