2019年3月25日 『ミッション』と『ビジョン』の再定義
前夜に引き続いて、イチロー選手の引退会見から、「価値創造」に密接に繋がる珠玉を綴ります。
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Q. 夢を叶えて成功して、何を得たと思っていますか?
A. どこからが成功で、どこからがそうじゃないのかは判断できない。
だから「成功という言葉」は僕は嫌いなんですけど、新しい世界に挑戦するということは大変な勇気だと思うんですけど、ここはあえて成功と表現しますが、
成功すると思うからやってみたい、それができないと思うからやらない、という判断基準では後悔を生むだろうと思う。やりたいならやってみればいい。
『できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思うなら挑戦すればいい』
そのときにどんな結果が出ようと後悔はないと思う。自分なりの成功を勝ち取ったところでじゃあ達成感が残るかというと僕には疑問なので、基本的にはやりたいと思ったことに向かっていきたい。
何を得たかというと、「こんなものかなー」という感覚ですかね。
それは「200本」をもっと打ちたかったし、できると思ったし、1年目にチームが116勝して、その次の二年間も93勝して。勝つのは難しいものじゃないなと思ってたけど、大変なことです。
「勝利する」ということは。
この感覚を得たことは大きいかもしれないですね。—
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自分ゴトですが、前職・パイオニア社で、本社から総合研究所に異動しました。
下記の変換が大きな課題でした。
①技術オリエンテッドの「研究所」に、『顧客接点』『顧客価値視点』を注入すること
②同研究所に、体系的な『将来構想』を注入し、「次の事業の柱」を確立すること
③「イノベーション&マーケティング」を結合し、「新価値創造」の体質に更新すること
(2000年前後は多くの異業種コラボレーションや社外からの将来シナリオプランニング支援の依頼があり、大手企業の研究所にも伺いましたが、そのような研究所が大半でした)
『できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思うなら挑戦すればいい』
研究所には、それまで成長・成功してきた強みの「技術・技能」があるのですが、それらが、
・成長→成熟→衰退
という『諸行無常』の道を必ず辿ります。
それまでの用途や視点では『強み』でなくなることを意味します。
それは、「イノベーションのジレンマ」です。
問題は、「できること(技術)」と「価値を生み出すこと(顧客価値)」にギャップが生まれることです。
「従来能力で、自分達にできること」ということが『間に合わない』時代に突入しています。
それは、『家電』『自動車』も同じ道を辿っていきます。
そこに必要なのは、『ミッション』と『ビジョン』の再定義です。
「できるコト」からつくる「ビジョン」が時代とマッチングしない、価値レベルが低い事例を多くみてきました。
先ず、「やりたいコト」から「ビジョン」を構想してみましょう。
隆々としたイメージを創るのです。それは、会社も地域も人生も同じです。
すると、「不足」「余白」「負」が観えてきます。
それは、
・第22夜、第207夜:余白、
・第57夜:本来・将来・縁来
・第89夜:本質的な違いを生み出す方法
に記していますので関心のある方はご覧ください。
そこに「挑戦」するのです。
トップに、先ずその『イメージ』と『やり抜く覚悟』がないと実現しません。
想わなければ、動かなければ実現しないのです。
『できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思うなら挑戦すればいい』
これからの時代に上記は、子供から青年、大人、そして壮年の全てに言えるコトと思います。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ