橋本元司の「価値創造の知・第219夜」:「ICHIRO: ファンの存在」③

2019年3月26日 ファン(FUN)がファン(FAN)になる

首記に「ファンの存在」と記していますが、「ファン(FAN)はファン(FUN)を通して、ファン(FAN)になってゆきます」
それは、「第108夜:ファン(嬉しい・楽しい)がファン(愛好者・熱狂者)を生む」に記しています。『良い目的』(第28夜、第107夜)を明確にしておくことが重要です。

ビジネスや地域創生に置き換えると、「ファン(FAN)」は「顧客」にあたります。
前夜・前々夜に引き続いて、イチロー選手の引退会見から、「価値創造」に密接に繋がる珠玉を綴ります。

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Q. ファンの存在はイチロー選手にとっていかがでしたか?

A. ゲーム後にあんなことが起こるとは想像してなかったけど、実際にそれが起きて。普段はなかなか日本のファンの方の熱量を感じることは難しい。

久しぶりに東京ドームに来て、ゲームは基本的には静かに進んでいくんだけれど、日本の人は表現するのが苦手だと思っていたけど、それが完全に覆った。

内側に持っている想いが確実にそこにあるということ。それを表現したときの迫力はこれまで想像できなかったものです。

あるときまでは自分のためにプレーすることがチームの為になるし、見てくれる人も喜んでくれるかなと思っていたけれど、
ニューヨークに行った後からは、「人に喜んでもらえることが一番の喜び」に変わってきた。

『ファンの存在無くしては自分のエネルギーは全く生まれない』と言ってもいいと思う。—

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前職・パイオニア社の「ヒット商品プロジェクト」のステージで、「ファン(FAN)とファン(FUN)」を意識することで、今までになかった「自分の内側からのエネルギー」が湧いてくることを実感してきました。

そのことと、ICHIROさんの云う
・「人に喜んでもらえることが一番の喜び」
・『ファンの存在無くしては自分のエネルギーは全く生まれない』
とは同じことと洞察しています。

その様に、「宇宙のルール」はできているのだと思います。

喜び・嬉しい・楽しいのFANが減少すると、愛好者・熱狂者のFUNが減少します。
そこに対応・適応できないと倒産(第13夜、第172夜)に繋がります。

同時に、自分の中に「喜び・嬉しい・楽しい」がないと長続きしないのですね。
それは、前夜の『できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思うなら挑戦すればいい』にも密接な関係があります。
下記、「少年へのメッセージ」もご覧ください。

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Q. 少年にメッセージを送ってほしい

A. 野球だけでなくてもいい、自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけてほしい。夢中になれるものが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていくことができる。

それが見つけられないと、壁が出てくると諦めてしまう。色んなことにトライして、自分に向くか向かないかよりも、自分が好きなものにトライしてほしい。—

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自分の「喜び・嬉しい・楽しい」と顧客の「喜び・嬉しい・楽しい」が繋がるといいですね。
それが、『事業』です。

そのような実践と体験をしてきました。
ただ、「諸行無常」という宇宙のルールがあるので、それは永遠には続きません。

それも、『事業』の宿命です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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