橋本元司の「価値創造の知・第221夜」:「ICHIRO: 辛いこと、しんどいことに立ち向かうこと 」⑤

2019年3月28日 未来の自分にとって、大きな支え

ICHIROさんは、それまでの世間の常識や価値観を超える挑戦をしてきました。

知の連載では、第157~166夜のスティーブジョブズ編にそれを綴ってきましたが、そこには多くの壁や中傷、いやがらせ等があります。
レベルはぜんぜん違うのですが、自分も「ヒット商品プロジェクト、シナリオプランニング、事業創出プロジェクト」等で同様の体験をしてきました。

その真っ只中はたいへんなのですが、心と脳は集中してワクワクしていたりしています。
人にもよりますが、作用としてのプレッシャー(重圧)は、反作用としての「やる気や集中力」を倍加させます。

「不足」や「負の反動」(第3夜:負(マイナス)の美学、第206夜:落合陽一・負の想像力)が価値創造の重要な要素になります。

さて、引退会見の最後の質問にICHIROさんは下記の様に答えています。

---------

Q.孤独を感じながらプレーをしていると言ってたが、孤独感はずっと感じていたのか?

A.現在は全くその孤独感はない。それとは少し違うかもしれないけれど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと。アメリカでは僕は外国人ですから。

このことは、外国人になったことで、人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れた。

この体験っていうのは、まぁ、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。

「孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました」

ありましたけど、その体験は、「未来の自分にとって、大きな支えになるんだろう」と、今は思います。

だから、

『辛いこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然のことなんだけど、エネルギーのある、元気な時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく、人として重要なことなんじゃないかと感じています』

締まったね?最後。

長い間ありがとうございました。—

---------

「辛いこと、しんどいことから逃げたい」という気持ちはよくわかります。

しかし、それを突破した先には「自分の成長」「人生の充実」が待ち受けています。

それを、「エネルギーのある、元気な時にそれに立ち向かっていく」

そのことはすごく、『人として重要なこと』なんじゃないか、と言っています。

そんな珠玉の話の数々を多くの人たちが聴けたことが、ICHIROさんからのギフトでしたね。

自分は昨日64歳になりましたが、まだまだ内側に沸々としたエネルギーがあることを感じています。
掲げたミッションとビジョンに立ち向かっていきたいと思います。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
ICIRO05