2019年5月16日 これからの時代に『適切な人』
本夜は、「道」「熱意が道を切りひらく」に続く松下幸之助のことばを「実践経営哲学」より引用します。
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『事業は人なり』
“事業は人なり”といわれるが、これはまったくそのとおりである。どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していくものである。
いかに立派な歴史、伝統を持つ企業でも、その伝統を受け継いでいく人を得なければ、だんだんに衰微していってしまう。経営の組織とか手法とかもちろん大切であるが、それを生かすのはやはり人である。
どんなに完備した組織をつくり、新しい手法を導入してみても、それを生かす人を得なければ、成果もあがらず、したがって企業の使命も果たしていくことができない。
企業が社会に貢献しつつ、みずからも隆々と発展していけるかどうかは、一にかかって人にあるともいえる。
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“事業は人なり”とはまったくそのとおりだと思います。
それはそのとおりなのですが、レールの上を走れば良かった20世紀後半の鉄道の時代と違って、激変する21世紀の航海の時代には、上記の企業が社会に貢献しつつ、みずからも隆々と発展して『舵を切る』ことのできる『人』が必要とされています。
ところがその様な人財を据えないことで、ここ数年、特に大企業の衰退や倒産を目の当たりにすることが顕著になっています。それは「人災」です。
言うことをきく可愛い「イエスマン」や鉄道の時代の「オペレーター」を新社長におくことで「革新・再興」ができないことによる悲哀が目立ちます。
その様な「人」は、オペレーションについては判断できても、舵を切る「イノベーション」についての判断がとても弱いのです。その様な経営陣を上にいただくと、再興・新成長の提案を通すことは極端に難しくなり、悪循環の道にはまり込んでいきます。
そこには、「革新性」「成長性」「生産性」が大きくからんできます。まさに、『事業は人なり』です。
社会や未来をみないで、上ばかりみている真面目な「平目人」達を私たちは、「良い子」と名付けていました。経営陣や経営戦略・経営企画が「良い子」ばかりだと危ういと思ってください。
どうしたらいいのでしょうか?
松下幸之助の言う、これからの時代に『適切な人』をよく把えること、据えることにあると思います。
そして、それに迅速に応えなくてはならない「日本の教育の大課題」でもあります。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ