橋本元司の「価値創造の知・第239夜」:松下幸之助のことば「日に新た」⑪

2019年7月12日 「フロントランナー」と「リーディングエッジ」の認識

「諸行無常」「万物流転」と、すべてのものは絶えず動き、絶えず変わりつつある。これは自然の摂理です。自分の身体、自分の人生、会社、地域、そして、地球も宇宙も同じ動向です。

そのような変化の中で、会社経営で云えば、現状維持とは、右肩下がりに向かっているということです。それは、競合が生成発展しようと努力しているので相対的に下っていくのです。
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世紀の激変の只中で、日本の大企業、大銀行は、インナーのつまらない競争に明け暮れるのではなくて、「フロントランナー」の認識を強く持って欲しいですね。

前職パイオニア社の在職中は、この「フロントランナー」と「リーディングエッジ」という言葉が好きで、よく使っていました。
「リーディングエッジ」とは、ある分野の最先端のことをいいます。飛行機では、空気が触れる翼の先端部をいいます。
パイオニア社を従来の価値観を超えた「フロントランナー」にしたかったのです。

業界のリーディングエッジとなり、リードする着想、構想を持つことが大企業、大銀行の役割です。その様な「フロントランナー」としての認識や構想が不足しているを感じるのは自分だけではないでしょう。
そこに必要なのは『価値のイノベーション』です。従来の価値観のままの現状維持ではリストラ、衰退の道を辿ります。
広くとらえれば、いま、日本に求められているのは、従来の依存体質から、価値創造の自立体質への脱却ではないでしょうか。
それは、大企業だけではなく、中小企業、そして、地域や個人も同様です。

さて、そのために必要な心得を「松下幸之助さんのことば」から引用します。

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「日に新た」

生成発展とは、日に新たにということ、古きものが滅び、新しきものが生まれるということである。
すべてのものは絶えず動き、絶えず変わりつつある。これは自然の摂理であり、宇宙の動向である。世の中の万物は、この生成発展の原理で動かされている。

したがって、われわれの経営も、この原理で支配されているのであって、わが社が従来、日に新たに進もうと念願してきたことも、この原理に即した経営理念をとってきたからである。
生成発展の経営理念は、千古不滅の真理である。

出典「松下幸之助・経営の真髄」
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日本の様々な問題(個人、社会、産業)は、高度20世紀後半の成長期の反動もうけて、成熟期・衰退期に顕在化しています。
成長期のレールのある鉄道時代の様な「日に新た」と、レールのない成熟期・衰退期の「日に新た」では、次元が違っています。
これまでには無かったレールを自らつくっていくことが求められているからです。
そこにはフロントランナーとしての着想と構想という「新価値の創造」が不可欠です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑪