橋本元司の「価値創造の知・第242夜」:松下幸之助のことば「見えざる契約」⑭

2019年7月16日 いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない

私は好んで、数寄で、「使命(Mission)」という言葉をよく使います。
それは、「世の中」や「信じる何か」との「強いお約束」です。

それを、個人として使うことがあれば、会社や地域として使いこともあります。

・「いったい何を達成、実現するために約束するのか?」
この「何」は人によって、会社によって、地域によって変わってきます。

この「新価値創造研究所」であれば、
・「価値創造革新」で多くの人を幸せにしたい
がミッションです。

このコラムを何故綴っているのかと云えば、その真髄を多くの方たちにお伝えしたいからです。
それが世の中にお役立ちするという「確信」があるので、揺るぎない「信念」を持つことができます。
そして、「信念」があれば、「革新」に向かうことができます。

このコラムでは、ミッションを
「航海する船の錨(イカリ)」(第85夜:深い知)
とよく表現します。

何に繋がっているのか、何のために存在しているのか、その自分の立ち位置を明確にしておきたい。
人生も会社経営も同じように考えています。

ただ、このミッションは目に見えない『心・魂・志』を扱う領域です。
星の王子さま サン・テグジュペリの名言に、
「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」(第63夜)
とあります。

世の中に役立つことが「価値」であり、それは価格と違って主観的なものです。(第102夜)
その目に見えないインビジブルを本気で想い、想像し、創造し、実行している経営者は強くしなやかにイノベーションをされています。

さて、その大事なインビジブルに関係する松下幸之助さんのことばを「わが経営を語る:見えざる契約」から引用します。
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「見えざる契約」

今日、何千万人という需要者の方がたは、生活を豊かにしていくために物がほしいというとき、それが現実に手に入らなければ、非常に不自由な思いをせざるを得ないでしょう。

私たちはあらかじめそういうことを予期して、万全の用意をしておかなければなりません。それはいわば、私たちと大衆との見えざる契約だと思うのです。

別に契約書があるわけでありませんが、私たちはこの見えざる契約、声なき契約をよく自覚する必要があります。そして、その契約を遂行してために、常日ごろから万全の用意をしておくことが、私たち産業人に課せられた、きわめて大きな義務であり責任だと思うのです。

出典「わが経営を語る」
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「見えざる契約」という用意、義務、責任が「ブランド」につながるのだと思います。

・いったい私たちは、世の中に、どの領域で「何」をお約束するのか?

その目的が明確になっていれば、見えざる契約、声なき契約にも正面から向き合っていくことができますね。
そして用意があれば卒意(第4夜)ができます。
「不足を転じて満足となす」ことに向かえるからです。

よく見かけることで注意したいのが、「目的」ではなく、「手段」でお約束する場合です。
「手段のお約束」の際は、一過性の場合が多いので、定期的に見直しを行い、「目的」をセンターに持ってくることをお薦めします。

いちばんたいせつなことは、心で見てください。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑭