2019年8月2日 価値創造とSDGsの深い関係
SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉がメディアでもよく取り上げられるようになりましたね。
SDGsとは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
この「SDGs(持続可能な開発目標)の『本質』」をしっかり把えることにより、ご支援してした多くの企業や地域が、これまでの閉塞を打破する構想を持って隆々と実践されています。
そこでよく言われるのが、このコラムの「価値創造の知」連載と「SDGs(持続可能な開発目標)」が鍵と鍵穴の関係(第78夜)にあるということです。
本夜から、「SDGsの歴史」と「価値創造のつながり」の必定について綴っていこうと思います。
それでは、少しSDGsの歴史をひも解きます。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、先進国による途上国の支援を中心とする内容でしたが、そうではなくて、2015年に新たに策定されたSDGsは、
→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているのが特徴
になっています。
その持続可能な世界をつくる17のゴール(目標)を記します。
1.貧困をなくそう: あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロ: 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.質の高い教育をみんなに: すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう: ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に: すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに: すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう: 国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを: 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任: 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう: 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう: 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に: 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
上記の様な夢や理想を、目標に掲げて2030年をゴールにするという取組みには拍手を送りたいと想います。
個人や一国だけが頑張っても実現することは困難です。そして、何か一つ項目を実現しようとすると、他の項目も有機的につながっていることに気づきます。
このことについては、「3つのエコロジー」(第9夜)に綴りました。
さて、新価値創造研究所は、ここで重要な求心軸を2軸で把えてみました。
一つ目の軸は、「自己中心意識」ではなく、「公(おおやけ)」の認識と行動
二つ目の軸は、「改善」ではなく、「改革」の認識と行動。
「公(おおやけ)」と「改革(イノベーション)」の認識と行動です。これを前進させるための「意欲*当事者意識」が肝要ですね。
20世紀後半の日本は、「大量生産・大量消費」の時代でした。
人間の身体で云えば、「動脈産業」中心でしたが、今は善循環させるために、「静脈産業」をしっかりと構築するすることが求められるようになりました。
その最もわかりやすい例が、地球の気候変動です。大量生産・大量消費のやりっぱなしが氷河がとけたり、海面上昇等につながっているのでしょう。
海のプラスティックゴミによる生態系への影響も問題になっています。
クライアント先では、いいことばかりと思われていた「プラス」ティック事業が「マイナス」ティック事業に陥っているのです。把えかたの大転換が必要になってきています。
つまり、2030年に向けて「価値観の転換」が求められているのです。それを消極的に把えるのか、積極的に行動するのかで結果が大きく変わります。
→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴」
上記は、従来の延長線上では達成できません。熱量をもった本気の「構想」「改革」「イノベーション」が必要なのです。
さて、上記の17のゴールをみてください。
すべての「項目が、従来の延長線上のやり方では失敗してきていますね。
「2030年をイメージして、そのギャップをどのようにして詰めていくのか?」
それが問われます。大チャンスの到来ですね。
大企業には大企業なりの、中小企業には中小企業なりのやり方・構想があります。
ポイントは、「構想の立て方」です。「目標達成のイメージ」がつかめれば、日本企業は強いのです。
SDGsへのアプローチは、「中小企業のほうが向いている」のではないかとこの頃感じています。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ