橋本元司の「価値創造の知・第247夜」:SDGs(持続可能な開発目標)②目的

2019年8月14日 「世のため、人のため、地球のために尽くす」

本夜は、SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)に向き合うために、とっても重要な『目的・志・大義』について綴ります。

前夜(第246夜)では、「SDGsの17のゴール」を記載しました。その目的とは、いったい何でしょうか?

「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって持続可能な世界を創る」でしたね。

つまり、「世のため、人のため、地球のために尽くす」ということです。この大目的に寄り添えるか、熱意を持ち続けられるかどうかがとっても肝要です。

ここで、稲盛和夫さんの人生哲学、京セラフィロソフィである「世のため人のために尽くす」を引用します。
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人生の目的とは、「心を高める」ことです。「心を純化する」「心を浄化する」「人間性を高める」「人格を高める」。すべて同義語ですが、これらが人生の目的です。波瀾万丈の人生で、さまざまな現象に遭遇し対処しながら、人間性を高め、自分自身の魂を磨いていく。これこそが人生の目的なのです。

これをもっと具体的に言い換えると、世のため人のために尽くすということになります。人間ができていなければ、心が高まっていなければ、世のため人のために尽くすことなどできるものではありません。私は、世のため人のために尽くすのが人生の目的だと考えていますが、それは心を高めるということだったのです。

出典:『成功の要諦』
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この「価値創造の知」連載でも、『目的』の重要性を何回もお伝えしてきました。
「革新の7つの力」を第59夜~第74夜に亘って綴りましたが、それをまとめた価値創造イニシアティブ「価値創造・7つの秘訣」(第76夜)を紹介します。
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.・・・
の「革新の7つの力」の最初の1.2.は、この『目的』が中心にあります。

イノベーションを起こすには、「新目的・志・大義」が重要な役割を示します。それは、必ず様々な障害が現れるので、それらを乗り越えるには、「新目的・志・大義」なくして進めないからです。

コーヒーショップの様に、同じような事業を運営しているようでも伝わってくるものに違いがありますね。それは、コンビニでもアパレルでも商店街でも、そして同業種の会社でも同様です。

それは、それぞれが大事にする『目的』への「想い」が違っているからです。個性(=想いの違い)があるからです。
当たり前のことなのですが、『価値(=人に役立つ)』は人が創ります。それぞれをよく観察すればわかるのですが、『会社の価値』は、そこの関わる人たちの「生い立ち、想い、生きざま」が息づいています。
『人』が変われば、内容も変化します。それが、商品やサービスを通して伝わってきます。

「目的・志・大義」の反対は、頭からソロバンばかりはじいている人です。
中途半端で熱意がないので、ここぞという一歩が踏み出せずに、「継続(サスティナビリティ)と「生き残る(サバイバリティ)」につながりません。
それは、熱量・覚悟が足りないので、「深く・高く・広くのイノベーション」(第21夜、第131夜)ができないからです。

さて、次夜は上記の「目的」から、どうやって「価値」に近づいていくのかを綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs②