2019年8月20日 「守破離」と「DeReCo(デレコ)」
前夜(第249夜)では、SDGsの「心からやりたいこと」から『価値創造につなげる二つの秘訣』を綴りましたが、本夜は、重要な視点・視座である「DeReCo(デレコ)」についてご案内します。
これは、第5夜に綴った『守破離』の応用形です。
『守破離の思想』は、仏道の根本にも、それをとりこんで日本的な様式行為をつくった禅にも茶にも、また武芸にも、開花結実していきました。
創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表しています。その応用形である「DeReCo(デレコ)」は、SDGsの価値創造のプロセスに大変役に立ちます。
松岡正剛師匠の言葉を引用します。
------
守破離とは、守って破って離れる、のではない。
守破離は、
守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
------
「DeReCo(デレコ)」の①Deと②Reは、守破離の「De(破)とRe(離)」のことです。
「De(破)」とは、破ってこれまでの型(頭の金型:やり方、考え方)を出遊することです。それまで持っていたモノサシを新しいモノサシに変えることです。
それは、従来の価値観を超えて、新しい目的を持つことです。第247~248夜にそれを綴りました。その本質について関心のある方は、第28夜(新しい目的を持つ)をご覧ください。
「Re(離)」とは、離れて新しい型(やり方、考え方)を生むことです。新しいモノサシを持つことです。
前夜(第249夜)に、Re(離)について記しましたが、Reと離が同じ「り」という発音であることが何かのご縁を感じます。
②Re: Reborn、Reuse、Recycle等、再び復活するという意味です。従来の良きところを今の時代に合わせて生み出すこと
SDGs(持続可能な開発目標)の根本は、持続・継続(サスティナビリティ)にあります。このRe(離)が中心です。
ポイントは、「①De(破)」を土台(目的・志」をもって、「②Re(離)」の第45夜(Reorientation:リオリエンテーション)の新しいゴール/方向性に向かうことです。
「①De(破)と②Re(離)」の関係は、航海で例えると、錨と北極星(第147夜:真の企業再生)という新機軸になります。
第147夜にも綴りましたが、真の企業再生/創生には、“ミッション・ビジョン・イノベーション”の明確化が絶対必要です。
そう、SDGsの取り組みも全く同じ型なのです。
“ミッション・ビジョン”という軸(ホップ・ステップ)できて、周りを巻き込んで実行・実践モード(ジャンプ)に入ります。
一人では何もできませんね。そこには、つなげる力(第32夜)、伝える力・伝わる力(第69夜)、巻き込む力・巻き込まれる力(第71夜)が必要になります。
ポイントは、合わせる力、結ぶ力という新結合の力を発現/発揮することです。
③Co: Cooperation、Collaboration等、力を共に合わせて協力する、強くなること。
ですね。
それが「③Co(合)」のジャンプのプロセスです。このことについては、「価値創造の知」連載で多くを綴ってきました。
「①De(破)と②Re(離)」まで検討されて、「③Co(合)」に挑戦をしない、あきらめる事案を幾つかみてきました。
SDGsへの挑戦でも同じことが起きる可能性は大です。いったい、どうしたらいいのでしょうか?
次夜は、そのことについて綴ります。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ