橋本元司の「価値創造の知・第259夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑭『How dare you (よくもそんなことを・・)』

2019年9月27日 「利益起点」から「課題起点」へ

本年5~7月に、自分が関わる「SDGs」関係の会合が頻繁になり、8月2日から「SDGs」のコラムを綴り始めました。
その「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにした本連載も⑭になりました。
2015年から「SDGs」に着目していたのですが、去年の中頃から潮目が「アクション(実践)」のモードに切り変わってきたことを実感しています。
そんな折に、下記のグレタさんの国連スピーチ(地球の温暖化対応への怒り)がありました。
これで、世界は全面ギアチェンジに入ります。

9月23日、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)はニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない世界のリーダー達を叱責しました。
連日メディアで取り上げられているので、皆さんその内容はご存じだと思います。それを前提として、SDGsとの関係でその本質を綴ります。
それでは、グレタさんのスピーチの一部を引用します。

---------

—多くの人たちが苦しんでいます。多くの人たちが死んでいます。全ての生態系が破壊されています。私たちは大量絶滅の始まりにいます。

それなのにあなたたちが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!

30年以上にわたって、科学ははっきりと示してきました。それに目をそむけて、ここにやって来て、自分たちはやるべきことをやっていると、どうして言えるのでしょうか。必要とされている政治や解決策はどこにも見当たりません。—

---------

このスピーチへの反応の違いは、

『危機意識・当事者意識』

の本気度の違いにあります。それが怒りとなって多くの人々の魂をゆさぶりました。

地球環境の変動(地球温暖化等)で、人類は崖っぷちを歩いていること。
彼女はそれを「私たちは大量絶滅の始まりにいます」と表現しています。

そのリスクを「私たちや私たちの子供の世代に任せっきり」にしていると。
そして、「私たちは、結果とともに生きなければいけないのです」と。

今の大人たちは、大量絶滅から逃げ切れるかもしれないが、彼女たち若者には他人ゴトではありません。

それを本当に自分ゴトにして把えて行動しているのかどうか。
今回のグレタさんの国連スピーチで、SDGs取り組みのギアチェンジのターニングポイントとなることが直観できます。

第253夜に、「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」を紹介しました。
改めて記載します。

1.「新しい常識」を深堀する
2.「新しい感動」を想像する
3.「新しい結合」を着想する
4.「新しい舞台」を構築する
5.「新しい価値」を創造する

1.「新しい常識」、2.「新しい感動」の前提条件(土台)は、

・当事者意識/危機意識はありますか?
・本気ですか?
から始まります。

新価値創造研究所は、現状を革新する「価値創造・7つの力」を第60夜にまとめています。
1.自分事力
2.幸せ想像力
3.本質創造力
4.仕組構想力
5.伝える力
6.巻き込む力
7.やり抜く力

その最初は、「1.自分事力(=危機意識・当事者意識・情熱)」です。

「SDGs取り組み」の大元(おおもと)に求められるのは、『自分事力』です。
それがないと、そのあとに続く2~7には届かないことが明らかです。

これまでの日本企業の多くは、「利益起点」でした。
・余裕ができたらやるよ。
・それで利益が出せるの?

「SDGs」も社会的責任(CSR)やコミュニケーションツールの活用という表面的な取り組みが殆どでした。
「SDGs」取り組みに求められるのは、『課題起点』です。

取り組む「課題」を明確にして、それを社会に「発信」「宣言」して果敢に「挑戦」していく。
今回の「気候非常事態宣言」をターニングポイントとして、世界は『アクション(行動)モード』に切り替わりました。
小泉進次郎環境大臣(第257夜)には追い風です。

さて、『アクション(行動)』に切り替わらなくては生き残れない理由を次夜に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsグレタ