2019年9月29日 SDGs・日本企業の現場
グレタさんの地球の温暖化対応怒りの国連スピーチ(第259夜)は、大人への意識改革を促すものでした。
彼女の魂の叫びが、「地球・人類はターニングポイントにある」という一人一人のマインドセットを突きつけました。
さて目を転じて、「日本企業の現場」はどうでしょうか。
実は、現場に行くと、大企業で「利益起点」(第260夜)に軸足を置いていて、SDGsの「課題起点」には届いていないところが多いのです。
SDGsへのアプローチでは、CSR(企業の社会的責任)としての取組みで体裁を整えているのが現状です。
挑戦的な中小企業の方たちの方が情熱と本気ではリードしています。
先週半ばに、SDGs関連のカンファレンスで登壇された大手のCEOの方たちが、自社の取組みを図解で説明されていました。
そこでは、CSRとSDGs17のゴールを結び付けて整理されていたのですが、
「いろいろやっています」という表面的なレベルに感じてしまいました。
一緒に同席した友人にそれを聴いたら、「自分もまったく同じ印象だ」と云っていました。
彼と話して不足を感じたのは、大企業の「本気と社会に対するコミットメント(お約束)」でした。
私たちが大企業に望んでいるのは、2030年に向けた「SDGsの明確な目標&お約束」です。
「大きな宣言」をして欲しいのです。
「構想」が不足しているように感じています。
新価値創造研究所が定義する「構想」は、
・事象の本質を見極めて、理想の姿を描くこと
です。
上記カンファレンスのプレゼでは、本業とのかかわりの中で、「事象の本質」と「理想の姿」が明確に伝わってこなかったのです。
企業の構想と社会へのコミットメントが成長・成功の前提なのです。
先ず、「利益起点」から「本気の課題起点」へ視点・軸足を動かすことです。
課題解決を先取りすれば、利益はあとからついてきます。
社長が変わらなければ、会社は変わりません。社長が変われば、力が結集されます。
社会課題に本気で対応する、挑戦することが求められています。
ここで、
・「企業は、社会を変革するプラットフォーム(舞台)である」
というフレーズがトップの心に響いたら将来の可能性が高まります。
さてそれを受けて次夜は、「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」の
・4.「新しい舞台」を構築する
に進もうと思います。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ