橋本元司の「価値創造の知・第265夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑳『超現代史のススメ』

2019年10月12日 『超現代史のススメ=温故知新』

前夜(第264夜)に引き続き、価値創造に深く関わる「ノーベル化学賞 吉野彰さんの“開発秘話と未来への思い”」をピックアップします。
一昨日のNHKのクロズアップ現代+(10月10日放送)で、「吉野彰氏ノーベル賞秘話を語る」を特集していましたが、その中で重要なキーワードである『超現代史のススメ』と『シーズの糸をニーズの針穴に通す』の二つを本夜と次夜に引用します。

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武田:今夜は、サラリーマンとして研究を続けてこられた吉野さんが、いかにしてノーベル賞受賞決定に至ったのか、知られざる苦闘を伺っていきます。
そして、こんなキーワードも。「超現代史のススメ」。そして、シーズというのは、種という意味ですね。「シーズの糸をニーズの針穴に通す」。これまた、それぞれどういう意味なんでしょう?

吉野さん:まず超現代史というのは、まさに「超」とありますように、ここ10年、20年ぐらいの歴史がどうだったかということを、ちゃんと理解すると未来が見えてきますよ、という意味なんです。
—要するに、未来を予測しようとしたら、今現在から未来を見ると、どうしても、ぼけちゃうんです。ああでもない、こうでもないと。いったん10年前、20年前に戻ると、現在までの部分についても事実としてのデータがありますよね。それの延長線上に未来がありますね。ですから、10年、20年前から今現在を見ると、その先が自然と見えますよという、そういう意味合いです。—
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・「ここ10年、20年ぐらいの歴史がどうだったかということを、ちゃんと理解すると未来が見えてきますよ」

そうなんです。私たちの講座、プロジェクトでは必ずそのプロセスで将来を見通すことをしています。
(テーマによっては、50年前、100年前を理解することでよく視えるようになることがあります)
多くの会社や地域では、すぐに未来を検討しようとしますが、過去をよくみることで『現在が豊か』になります・
過去と現在が豊かになることで、やっと未来が輝き始めるのです。

それは、『温故知新』です。
・故きを温ねて新しきを知る

様々な業界や関連の業界の事例(過去・現在・未来)をご用意して、未来を観る、見通す訓練をしていただくことで世の中の先行きが見えるようになります。
それから、自分の業界を検討していただくことで、目指すべき将来、ビジョンが全員で共有できるようになります。
(多様な業種業態をご支援してきたことがお役にたっています)

例えば、価値創造講座でピックアップするのは、
・コンビニの未来
・コーヒー事業の未来
・再生可能エネルギーの未来
・教育の未来
・製造業(**事業)の未来
・音・音楽事業の未来
・文房具の未来
・**地域の未来
・働き方改革の未来
・SDGsの未来
等々、クライアント先に合わせてご用意します。
それは、将来を価値創造する『3本の矢(深い知・高い知・広い知)』(第75夜:トリニティイノベーション)の二番目のプロセスです。
「ミッション(深い知)→ビジョン(高い知)→イノベーション(広い知)」のビジョンのプロセスに当たります。
いったい何を目指すのかという「北極星」(第65夜、第66夜)を手にすることで自信ができますね。

それは、実践プロジェクト全員の「心」を強くします。
過去をよくみることで、「柔軟性」が増します。

前夜の研究で大切にしている『柔軟性と執着心』の「執着心」「柔軟性」の大元(おおもと)になります。
特に「高い知」については、この「価値創造の知」連載の第27夜、第87夜、第176夜、第228夜に綴っていますので、関心のある方は参考にご覧ください。

さて、二つ目の『シーズの糸をニーズの針穴に通す』は次夜に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs温故知新