SDGsシフト㉜「価値創造の知・第277夜」『三つのエコロジー』

2020年2月4日 『SDGsと三つのエコロジー』はコインの裏表

前夜(第276夜)では、日本企業にとって追い風となる『三方よし、五方よし』を綴りましたが、本夜は、SDGsの中心概念となる『三つのエコロジー』を取り上げます。

SDGs業界で、それ(『三つのエコロジー』)を取り上げているところをまだ見かけたことがありませんが、
『三つのエコロジー』の本に心を響かせていた人であれば、『SDGs』と『三つのエコロジー』の世界観がコインの裏表であることがすぐにわかります。
おそらく、欧州の方からそれが伝わってくるのではないかと洞察しています。

この「価値創造の知」では『三つのエコロジー』を、2016年の第9夜という早い段階で取り上げています。そこでも記しましたが、「三つのエコロジー(1991年初版)」フェリックス・ガタリ著は、自分の人生に大きな影響を与えてくれました。

この本は、30年くらい前の1991年の初版を熟読したのですが、フェリックス・ガタリ氏の先見性に驚くとともに、そこで警告してきた「地球危機・人類危機」を一部の人を除いて、人々(政治・国連)はずっと放置してきたことを残念に思っていました。

さて、昨年、新価値創造研究所の進むベクトルを『SDGsシフト』に大きく舵を切りました。
SDGsの根幹にある『三つのエコロジー』にある思想・哲学の上に、経営(本業)に、将来を切り拓く「新価値創造(イノベーション)」を組み込んで、社会・会社を変革して役立ちたいと思いました。

第9夜『三つのエコロジー』から少し加筆引用します。
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—従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する。

自分(橋本)の理解・編集では、
「人間は下記3つの世界(エコゾフィー)の中に生きている。
①地球環境   :物の公害(地球危機、気候危機)
②人間社会環境 :社会の公害(戦争、離婚等)
③心の環境    :心の公害(ストレス、ハラスメント等)

これを別々に切り離すのではなく、三位一体で直視して展開すること

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人間は上記の3つの世界(環境)に包まれていることを実感・納得するところから始まります。上記の①②③は切り離すことはできません。

強いて言えば、人間の精神・意識が①②に強く向かわなければ、変革にむかわなければ地球も社会・会社も個人も立ちいかなくなることが自明です。

さてさて、2015年9月の国連総会で、193ヵ国全会一致で採択されたのは、

⇒「Transforming Our World(我々の世界を変革する)」
:持続可能な開発のための2030アジェンダ

が正式文書になります。

それは、一人一人の精神・意識が、「わかる⇒かわる⇒実行する」(第8夜、第32夜、第70夜)にステップアップに向かわせたいツールであり、17の目標(ゴール)がSDGsです。

そのためSDGsは、地球危機・人類危機を謳いながら、社会・人間の課題からビジネスにも踏み込んでいるのです。
ビジネス(利益)と公益を結び付けなければ、解決に向かわないことを経験してきたからです。

今でも「SDGsは環境がメインのツール」だと思い、SDGsがビジネスに踏み込んでいることに違和感を持たれている多くの方たちがおられます。
逆に、ビジネスに踏み込んでいるために、それまで「静脈産業」だったものが、「動脈産業」「金融業」「政治」と連携して前進・進化が図られています。

そこに、この『三つのエコロジー』を理解することで、SDGsの本質(コア)を掴んで、それを起点として自身や会社の頭の金型(常識)を変えることができます。

新価値創造研究所の本格的なSDGs勉強会/セミナー/成長経営プロジェクトでは、それらに時間をかけて図解とともに説明しています。
そうすると出席メンバーの見える風景が変わってきます。

基本的な構図は、『三つのエコロジー』をベースにして
『ミッション・ビジョン・イノベーション』(新価値創造研究所HP)を3本の矢として
・バックキャスト・イメージ(時間軸:未来から現在を観る)
・リンケージ(空間軸:連携思考)
をそれぞれ縦軸・横軸としておくと、隆々とした将来の姿が浮かび上がってきます。

→基盤(『三つのエコロジー』)を豊かにすると、将来の社会・会社・個人が豊かになります。

ポイントは、『ミッション・ビジョン・イノベーション』の3本の矢を明確にすること。

そうすることで、
1. 売り手よし
2. 買い手よし
3. 世間よし
4. 地球よし
5. 未来よし

へ共にステップアップしましょう。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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