2020年2月23日 持続力・創造力・環境力
SDGsは、他とは違う『特性』があります。SDGs成長経営に踏み出すには、その「特性」に合わせた能力を自社内に持つことが求められます。
本夜は、『SDGs』を成長経営に取り込み、10年後に隆々とした会社になるために不可欠な下記『3つの力』を中心に綴ります。
(その「3つの力」は多くの業種を現場でご支援してきた中でたどりついた新価値創造研究所の結晶であり、「SDGs成長・成功の道筋」です)
A.持続力
B.創造力
C.環境力
SDGsの特性(本質・特質)を理解して、上記「3つの力」に真正面から取組み、その力を内包・実装することにより、将来に向けた強力なコンピテンシー(=高い業績や成果につながる新行動様式や特性)を内外に発信することができます。
逆に言えば、「3つの力」を持たなければ、SDGsの成長経営には届かないことを断言します。追い追い説明していきますので、納得いただけますと幸いです。。
さて、第279夜に「経営者にとって、SDGs取組みの魅力」上位3つをピックアップしました。
1.SDGsを通した「成長市場・成長経営への期待」
2.グローバルスタンダードであり、共通言語
3.求人、就職のアドバンテージ
それは、多くの経営者が本能的に「自社にSDGsを取り込まねばならない」という気持ちになる3項目です。多くの経営者が反応します。
ただ、どの様な気持ち、気概でSDGsの扉をノックするのかはあまり問題ではなく、先ずスタートラインに立ってSDGsワールドを眺めて反応していただくことに大きな意味があります。
それでは、ABCの順にご案内します。
そこには、①②と分類して記しています。
下記①は、「SDGs」そのものが持つ特性について
下記②は、自社が「SDGsの特性」を取り組むことの理由と利点について
◆A.持続力(サスティナビリティー)
①(「SDGs」そのものが持つ特性について)→「地球・人類の持続可能性」の追求・克服
SDGsの目的は、“人類社会と地球のサステナビリティ(sustainability:持続可能性)”にあります。その危機意識が根底にあります。
②(自社が「SDGsの特性」を取り組むことの理由と利点について)→自社経営の存続可能性(サスティナビリティー)
アンケート結果や実際に多くの経営者・社員とお話して出てくる本音は、「経営環境が大きく変わっている中で、これまでのやり方、考え方の延長上では会社の存続は難しい」と想われていることです。
つまり、
・「10年後の会社の持続性・継続性」
に対する不安・不満が顕在化しています。
さて、皆さんに質問しますので本音で答えてください。
・あなたの会社は、目前の数字を上げることに追われて、短視点で先が見え辛くなっていませんか?
・あなたの会社は、10年後に隆々とされるイメージを持たれていますか?
・あなたの会社は、将来に向けたコンピタンスを用意されていますか?
「従来の改善型・積み上げ型経営」や「とにかく一生懸命頑張る経営」で短期的に凌いでいるというの経営スタイルから何とか脱したい、と思っていませんか?
その様な不安・不満を解消するためには、持続可能性が中心にあるSDGsを活用することをお奨めします。
SDGsは、「10年後という時間軸で自分たちがワクワクする自社をイメージすること」で経営の風景、視座、社員のモチベーションを変えられる数少ないツールです。
それは、SDGs17ゴールと本業を結合して、10年後に持続的に生き残る(サスティナブル&サバイバル)ための「大きな成長戦略を考え、描く」ことから始まります。
さてさて、ここで福島正伸さんの言葉をご紹介します。
“どんな遠い山でも、見えるなら行ける。どんな遠い夢でも、見えるなら実現できる”
「将来イメージをつくることが難しい」と避けている経営は、結局、成長戦略が描けずに、「次の一手」が打てずに上記の「SDGs取組みの魅力」3項目の実現から遠ざかってしまうのが実情です。
経営者・社員は、ワクワクする「社会に役立つ遠い山、遠い夢」が見えなければ力を発揮できません。それは、前職パイオニア社でその失敗挫折と成功の双方を実体験してきたのでよくわかります。
(変化する環境の中で、失敗しないで隆々とした会社/地域に再興していただくことを目的として、7年前に新価値創造研究所を設立しました)
経営者のかたは、
・社員や関係者の方たちが共感する“10年後のありたい姿”を描くことをされているでしょうか?
“2030SDGsのありたい姿”ができていれば、そこから何が不足しているのかがわかり、「次にそれをどう実現するか」を考えるステージに向かうことができます。
そのイメージがなければ、いったい何を創造(イノベーション)していいかわかりませんものね。
SDGsは、10年後の“ありたい姿”を洞察するところから始まるのです。その“ありたい姿”の明確化が御社の一つ目のコンピテンシーになります。
◆B.創造力(イノベーション)
①「SDGs×イノベーション」
「A.持続力」に記した「人類社会と地球のサステナビリティ」は、過去のやり方・考え方の延長上では実現できないことは多くのメディアが伝えています。
2030年までの10年間が分水嶺(人類危機の方向性が決まる分かれ目)となっていることが、「2030SDGs」の強い危機意識であり活動のモチベーションです。
SDGsは、今よりも良い地球、良い未来を実現するイノベーションと共にあります。
②「SDGs×本業×イノベーション」の統合(第275夜:『SDGS成功の秘訣』参照)
SDGsには17のゴールがあり、そのゴール群は「実現を待っている世界のニーズ」です。
「本業とSDGs」を繋げると浮かび上がる「社会に役立つ遠い山、遠い夢(想像力)」は、現実との間に大きな隔たり(ギャップ)があるのは当然です。
それを埋めていきたいと自発的・主体的・継続的に考えるのが、創造力(イノベーション)です。
(この「継続的、持続的」という認識・活動が特に重要です)
(「現状維持で対応している」ということは、倒産(第13夜、124夜)に向かっているということです)
“ありたい姿(ビジョン)”から自社にできることを主体的に考え、成長機会を自ら見つけ、持続的に挑戦することが成長経営のステップです。
⇒会社を持続可能にするには、“ありたい姿(ビジョン)”をベースに前向きの燃える社員の創造力(イノベーション力)が不可欠です
さて、この「創造力(イノベーション力)のステージ」で急に腰が引けてしまう経営者・社員の方たちがおられます。
ぜんぜん心配される必要はないのです。その能力(リテラシー)を身に着ける成長環境(心得と方法)を私たちがご提供いたします。
その内容と能力については、第89夜「『本質的な違い』を生み出す3つの抽象化能力」に、図解で綴っていますので是非そちらをご覧ください。
そこには、
・ミッション(深い知)・ビジョン(高い知)・バリューイノベーション(広い知)
が創造力の源泉になっていることを明らかにしています。
上記「持続力」で記した10年後のビジョンは、「ミッション→ビジョン」の過程で生まれてきます。
これまでの経営の行き詰まりを脱する「3つの余白」を埋めるコンピテンシー(高い業績や成果につながる新行動様式や特性)をここで習得され活用することで、隆々とした将来を描き、未来を拓くことが可能になります。
そのためには、創造型人財の育成・開発が求められます。会社はその『人財』が育つことで成長します。
多くの社員の方たちが、そのコンピテンシーを習得・活用いただくことで、燃える集団が出来上がり、その方法習得が会社の二つ目のコンピテンシーになります。
そうなると、将来経営は現状の取引先の意向に従うのではなく、自らの想像力・創造力で市場を拡大、開拓する方向に変わっていくことが可能です。
それは、上記の自社の持続可能性を更に高めることにつながります。
(ここまででお分かりの様に、持続力と創造力はコインの裏表なのです)
(持続するには創造の知が必要で、創造には持続の知が必要です)
◆C.環境力
①SDGs(3つのエコロジー)の「自分ゴト化」(第277夜)
SDGs(心・社会・地球の三つの環境)と多くの賛同者・関係者が主体的・有機的につながっていることで大きな価値が生み出されます。
是非、ジャパンSDGsアワードの受賞企業をみてください。、SDGs達成に対し前向きで積極的な意識を全社員で共有できているという点が共通しています。
参考ですが、第277夜(三つのエコロジー)を理解することで、SDGsの全体像が腑に落ちて、「SDGsの自分ゴト化」が加速します。
②成長経営の環境づくり(場・仕組み・人財)
SDGs成長経営を推進するときには、「持続力/想像力」「創造力/構想力」を生み出す「場・環境・仕組み」が必要なことが判ります。
・Outer:10年後を考える場づくり
・Interface:10年後の成長エンジン、プラットフォームを検討する場づくり
・Inner:創造型人財を育成、開発する場づくり
という成長環境の「場・仕組み・人財」が多くの現場で圧倒的に不足していることが判ります。
その不足やハードル越えを、誰が代行(ファシリテーション、ナビゲーション)するかで結果も違ってきます。
さてさて、多くの経営者が期待する「SDGsで成長経営を目指す」ということは、上記、「A.持続力、B.創造力、C.環境力」の3つの力を自社に内包することを意味しています。
その実装そのものが、自社のコンピテンシー(=高い業績や成果につながる新行動様式や特性)につながるがお分かりいただけたでしょうか。
それゆえに、先行した会社は上記の不足に気づくことが早くなり、SDGs成長経営を決断した会社は「SDGsコンピテンシー」に挑戦(構想・実行・更新)して、迅速に隆々とした会社に近づいてゆきます。
新価値創造研究所は、上記「SDGs・3つの力」を理論と実践の両輪でご支援・代行することで、再考・再興する企業・地域・人財が、日本中に溢れることに貢献したいと思っています。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ