2020年5月10日 「前例主義」から「創造主義」へ
前夜(第287夜)は、『懸命と賢明』について綴りました。
「新型コロナ禍」は、一生懸命だけでは長続きしません。その頑張りは大切なのですが、どこかで必ず「持続性」に問題が出て破綻してしまいます。
鎖国状態であれば、元の状態に戻ることに向けて推進していけばいいのですが、今回の事象と環境変化を受けて、仕事や暮らし、経済や政治の様々な場面で、これから先の考え方の枠組み、価値観や仕組みを大きく変えていかなければならないことは明白です。
一例を上げてみましょう。
「9月入学制」です。
先ず、5年後・10年後を想像したときに、「4月入学制」と「9月入学制」のどちらを多くの人たちが選びますか?
日本は鎖国をしていないので、世界とのつながりを考えたときに、「9月入学制」は理にかなっています。
勿論、反対する人はいるでしょうが、その言葉を聴くと、
・入学制だけでなく、就職や会計年度等にも絡んでいる
・今のコロナ騒動のこの時期にやることではない
・従来のやり方を変えたくない
結局、「現状を変えたくない」
というのが透けて見えてきます。
行政に多いこの思考を「前例主義」「先例主義」と云います。
ここでいう「前例主義」とは、過去に取っていた方法(前例)が将来機能しないにもかかわらず、その事柄に適した処理を考えることなく、それを見直すことなく踏襲し続けてしまう不合理のことを指します。
そのために、「後手後手」になってしまうのです。
・オンライン授業
・リモートワーク
・感染症見える化対策
・特別定額給付金申請、振込み
等々で、「後手」に回っている事実を目撃しています。
他国にいいお手本があるにもかかわらずです。
単純には、「IT化」「インテリジェンス化:第283夜」が遅れているための悲劇です。
日本国は、「生産性向上」を掲げながら、司令塔・大臣や行政そのものに、「IT化」「インテリジェンス化」の戦略と人材が不足しているために、その付けが回ってきたのです。
さて、
『新型コロナは黒船である』
と認識することで、これからの生き方、暮らし方、ライフスタイルが変わります。
過去に取っていた方法(前例)が機能しないと覚悟して、人々・社会・地球の未来が幸せに近づくことにシフトする。
江戸時代に大きな黒船をみて驚異を抱き、環境変化・ギャップを認識して日本は大きく変わっていきました。
『ピンチはチャンスである』(第282夜:認識→備え→対応)
いま、このピンチを前向きに把えて、チャンスに変えている事例がメディアに溢れています。
「賢明」という“知”で、生き方・働き方を改革する必要があります。
『創造とは、未来の先取りである』(第75夜:価値創造とは何か)
他国のキャッチアップでは不足です。すぐに遅れをとってしまいます。
未来を先取りする能力が必要です。
それためにも、縦割りから横串への転換が急務です。
それを受けて、
・「前例主義」から「創造主義」へ
に生まれ変わることが求められます。
今回の「新型コロナ禍」は、「SDGsシフト」の一部です。
「SDGsシフト」のために、それは多大な教訓を与えてくれました。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ